gimresi's blog

みきと@研修医・内科×とある総合診療専攻医のブログ

片田舎のとある総合診療専攻医のアウトプット用ブログです。たまには関係ないことも綴ります。

喘息発作を帰宅させる時の対応

喘息を帰宅させる時の対応を初めから丁寧に ◯喘息患者の入院適応 ・高度および重篤の場合 ・中等度発作の場合、吸入薬や全身ステロイド治療などで2−4時間の治療で反応不十分あるいは1−2時間の治療で反応なしの場合 ・救急受診までに症状が数日〜1周間程…

風邪診療 発熱+発疹

はじめに このカテゴリーとして最も多いのは蜂窩織炎である。全身性であれば診断がつかない何らかのウイルス感染に伴うもの(中毒疹)、もしくは薬疹の疑いとなることが多い。 病歴聴取 ・年齢:高齢者ではウイルス感染ではなく、非感染性疾患(薬剤性)もし…

風邪診療について 発熱+関節痛型

この症候で最も大事なことは「関節痛だけ」なのか「関節炎」まできたしているかということである。 強い関節痛〜関節炎まできたしうるウイルス 頻度の高いもの ・パルボウイルス ・風疹とそのワクチン ・BC肝炎ウイルス ・アルファウイルス ・デングウイルス…

抗インフルエンザ薬の特徴と使いかた

はじめに 抗インフルエンザ薬は複数種類あり、その投与経路、回数、薬価など微妙な違いがある。今回はその違いを解説し、何を処方すべきか選べることを目標にまとめる。 インフルエンザウイルスは発熱後48〜72時間にウイルス量が最大となるため48時間…

夜間小児科外来 咳嗽が止まらない編

夜間小児外来 咳嗽だけある場合 はじめに 発熱がなく咳嗽のみある場合などは呼吸状態が悪くなければ帰宅できるが、ずっと続く咳嗽は保護者の心配が強くなるため器質的疾患がないか調べて症状緩和してあげる処方が必要となる。 まずはバイタルサインを確認。 …

夜間小児科外来 嘔吐・下痢・腹痛編

夜間小児科外来 嘔吐・下痢・腹痛編 はじめに これらが主訴で夜間外来を受診する子供はかなり多い。特に嘔吐は子供には頻繁に起こる。原因は胃腸炎が多いが対応について概説する。 何はともあれバイタルサインが整っていれば浣腸! 浣腸して便の状態を観察す…

夜間小児科外来 発熱対応編

夜間小児科外来 発熱対応編 はじめに 小児科外来では夜間・昼間にかかわらず最も受診する理由が多いものの一つが発熱である。今回は発熱の際に夜間外来で行う対応について概説する。 何を聴取するか? ・いつからの発熱? ・咳嗽・鼻水などの随伴症状はある…

ミキトの自己紹介

自分の価値はなんだろうか? 自分が生きてきた中で努力してきたことや時間を費やしたものは? コーチングでこれらの問いに対して考えた。 考えた。 考えた。 。。。 そしてその答えの一つに受験勉強があった そうだ!これを提供して自分の価値にしよう! と…

漢方薬を処方する上で知っておきたいこと

はじめに ・効果が期待できる病態のほか、生薬・処方レベルでの副作用についても知っておく。 ・急性症の治療では診断が適切であれば数十日運のオーダーで効果を実感できる。 ・慢性症でも2〜4週間以内に効果が見られることが多く、4週間で効果が出ない場…

食欲不振に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 食欲不振は多くの疾患で見られるが、原疾患が軽快しても消失しない場合や原疾患が不明または治療困難な場合も適応になる。 処方前に押さえておくべきこと ・食欲不振は消化器症状として単独で見られるよりも、多くは胃もたれ、悪心、胸焼…

漢方薬を処方する上で最低限知っておきたいこと

学ぶべき内容 ・陰証、陽証について ・虚、実について ・気、血、水についての考え方 ・五臓とは? ・四診について(望・聞・問・切) ・陰証、陽証について 病気の中には温めると症状が改善したり悪化したりするものがある。 漢方医学では個々の生薬に「温…

漢方処方ベスト20選 処方ランキング20を一気に列挙

漢方薬の種類は非常に多岐にわたり種類だけでも100種類を超える。 また1種類の漢方でも複数の症候に効果があり、その適応は厳密には決定されておらず効きそうな人に処方するという曖昧な適応となっているのが現状ではないだろうか。 今回はその非常に多…

小児科診療 発疹で外来受診の時の対応

はじめに 小児科で遭遇する発疹は感染症、アレルギーなどがその多くを占めます。外観だけでは診断がつかないことが多く、予防接種歴の聴取、全身の皮膚の観察が特に大事である。 Must rule out(必ず除外しなくてはいけない疾患) ・麻疹・風疹 ・重症アレルギ…

BCG接種の概要 効果・注意点・副作用について

BCG接種の効果 ・BCG接種は適切に行われれば結核の発病を接種しなかった場合の4分の1に抑える。 ・結核性髄膜炎や粟粒結核など重篤な結核の発病予防には効果は確実。 ・効果は10〜15年程度持続する BCGと他の予防接種との間隔 ・生ワクチン(MR、麻疹…

易疲労・倦怠感に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 重篤な器質的疾患のない時、外科手術後、悪性腫瘍で抗がん剤治療や放射線療法を行なっている時、および慢性閉塞性肺疾患、軽うつ状態、機能性胃腸症などに付随して易疲労・倦怠感を訴える時 処方前に押さえておくべきこと ・肉体的疲労は…

小児科採血で気をつけるべきこと

小児の採血は大人と異なり次のような問題がある。 自制がきかず予測不能の動きをする 採血部位として選択される血管が成人より細い。 循環血液量が少ないため採血量に配慮がいる。 小児の中でも年齢に幅があり、各年齢層で方法を変える必要がある。 採血が心…

風邪診療についてまとめ 発熱+消化器症状型

発熱に加えて消化器症状つまり下痢を伴っていればそれが細菌性かウイルス性かはたまた炎症性腸疾患などによるものかなど鑑別は様々あるが頻度の高いものとしては圧倒的に感染性胃腸炎ということになるだろう。 まずは感染性胃腸炎について話をまとめる。 臨…

抗凝固薬の使い分けについて学ぶ

ポイント ・抗凝固薬の適応疾患 ・心房細動に対する使い分け ・中等度以上のMSや人工弁置換術後の抗凝固薬はワルファリンを はじめに 抗凝固薬の適応疾患は大きく分けると心房細動の血栓塞栓症の一次または二次予防、血栓塞栓症(DVT、PE)の一次予防、治療…

抗リウマチ薬の使い分けについて 研修医レベルでまとめてみた

まず抗リウマチ薬は大きく分けて3種類。 リウマチ治療は抗リウマチ薬を中心に必要に応じてNSAIDs、ステロイドをしようする。 DMARDsとは? →disease modified anti rheumatic drugs(疾患修飾性抗リウマチ薬)の略。 csDMARDs:conventional synthetic DMARDs…

胃もたれに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 機能性胃腸症、特に食後愁訴症候群が漢方治療の良い適応となる代表的な疾患である。 処方前に押さえておくべきこと ・臨床上、機能性消化管障害においてはオーバーラップを認めることが多いとされる。 ・食後愁訴症候群と心窩部痛症候群…

APGAR スコアについて医学生向けにまとめてみた

APGARスコアとは出生直後の新生児の健康状態を表す指標である。 APGARはその頭文字で覚えると良い。APGARの由来はその立案者の名前から来ている。 A: Appearance 皮膚色 P: Pulse 脈拍 G: Grimace (刺激に対する)反応 A: Activity 活動性 R: Respiration …

SLRテスト・Laseque徴候・Kernig徴候・Mingazzini徴候について似すぎてて分からないのでまとめてみた

下肢の身体診察でよく出てくるこの4つの検査。 調べたところサイトによってはSLRテストとLaseque徴候は同じということが書かれていたり、あるサイトでは違うと書かれていたり書く人によっても解釈が異なるように感じる。これがこれらを混同させる要因なので…

小児科診療 嘔吐・下痢を主訴に来院

嘔吐・下痢は小児科診療で出くわす主訴のうち最も多いものの一つである。 今回はその時の対応についてまとめる。 この症候では嘔吐のみではないということが大事である。 つまり胃腸炎として経過が合わないところがないか?を常に考えながら診療にあたるのが…

小児科診療について 発熱編

発熱初日〜2日は風邪と言わざるを得ない! 37〜38度台の発熱で外来受診した場合には、一番の鑑別に上がるのはやはり風邪症候群である。 この場合は風邪らしさを聴取する。 聴取内容 ・いつからの発熱か? ・ご飯、水分は取れているか?(水分取れていない、…

不機嫌:not doing well(なんとなく元気がない)場合 小児科診療

Must rule out 尿路感染症 細菌性髄膜炎 腸重積 頭蓋内出血、骨折 心不全、呼吸不全 ターニケット症候群 血液疾患、代謝疾患 よくある頻度の高い状態・病気 中耳炎 便秘症 皮膚炎などのかゆみを生じるもの Infantile colic 原因不明の非特異的な不機嫌 注意…

BCG(Bacillus Calmette-Guerin)接種についてまとめてみた

小児科で必ず実施されるBCGについて おおよそ多くの予防接種はシリンジに針をつけてワクチンを皮下注射するだけであるがBCGは言わずもがなハンコ注射とも呼ばれる特殊な接種方法である。今回はそれについてまとめる。 適応 結核予防のため予防接種法に基づき…

喘息発作への初期対応についてまとめてみた

気管支喘息には大きく分けて2種類、発作期と安定期がある。それぞれにおいて治療は発作期であれば発作に応じた治療を行い普段は安定期として持続的な吸入などで治療を継続する。今回は喘息発作について初期対応をどうすべきかまとめる。 発作強度によってす…

風邪診療まとめ 発熱+頭痛型

このカテゴリーで見逃してはいけないのが何といっても髄膜炎である。 発熱に加えて今までに感じたことのない頭痛を訴える場合には常に髄膜炎を考えなくてはならない。 しかしその違いは難しくどうゆう場合に髄膜炎を疑って腰椎穿刺を施行すべきかを考える。 …

風邪診療にまとめ 微熱+倦怠感がある場合

風邪のような感染症は数多くあります。 今回はその中でも微熱+倦怠感をきたす疾患にフォーカスを絞ってまとめます。 微熱+倦怠感とは感冒症状があるにも関わらず咳嗽、鼻水、咽頭痛などがなく症状のメインが倦怠感である状態。 倦怠感という訴えは医師とし…

風邪診療について 局所臓器症状不明瞭・高熱のみ型 後編

熱源不明の患者でチェックすべき部位とポイント 結膜 結膜炎(咽頭結膜熱など)、黄疸(胆道感染)、点状出血(感染性心内膜炎)、充血(レプトスピラなど) 両上顎の圧痛の有無 副鼻腔炎では圧痛ではなく左右左程度のことも多い 口腔・咽頭・頬粘膜・軟口蓋…