抗インフルエンザ薬の特徴と使いかた
はじめに
抗インフルエンザ薬は複数種類あり、その投与経路、回数、薬価など微妙な違いがある。今回はその違いを解説し、何を処方すべきか選べることを目標にまとめる。
インフルエンザウイルスは発熱後48〜72時間にウイルス量が最大となるため48時間以内の投与が推奨されている。
インフルエンザは小児〜成人、高齢者まで誰でも罹患する病気だと言える。そのため投与回数や投与経路はその患者にあったものを選ぶ必要がある。一つ結論づけることはどれも効果という点ではそれほど変わらないということである。(ゾフルーザ、イナビルなどはタミフルに対する非劣勢をうたっている論文がある)
それぞれの特徴をまとめた図
・薬価からみた場合
費用の面では圧倒的にタミフルが安い。古くからインフルエンザに対して処方されている薬であり、投与回数が比較的多いことは利用しにくい点であるが費用対効果は一番と言える。
・投与回数からみた場合
投与回数という点ではイナビル、ゾフルーザがダントツである。ラピアクタは点滴薬であり外来診療が多いインフルエンザにはそれほど登場の機会はない。イナビルは吸入薬であり売上高もナンバーワンである。しかし1発勝負の吸入であり、吸入をしっかりできる患者が良い適応である。ゾフルーザは内服であり1回内服であれば内服忘れの心配も少ないが成人の1割、小児2割に耐性ウイルスの出現という問題が報告されており、有効性という面では非劣勢であり投与回数1回は魅力的であるがそれほど売り上げはない状態。
・投与経路から見た場合
最も確実なのは1回内服のゾフルーザ。イナビルも1回吸入でありイナビルが最もシェアされている要因の一つと言える。ラピアクタは点滴薬であり小児熱性痙攣かつインフルエンザ感染で点滴留置されている場合や重症な高齢者のインフルエンザ感染で入院中などに使用される。
・まとめ・考察
それぞれの薬の特徴から特別こだわりのない患者は薬価や内服による確実性などからタミフルを処方。
1回投与を望んでいる場合はイナビルかゾフルーザ