gimresi's blog

みきと@研修医・内科×とある総合診療専攻医のブログ

片田舎のとある総合診療専攻医のアウトプット用ブログです。たまには関係ないことも綴ります。

乳児健診 3〜4ヶ月編

乳児健診 3〜4ヶ月編

 

はじめに:早産の場合ワクチンは出生日を基準に接種を行うが、成長・発達については出産予定日を基準に判断する。そのほかに新生児仮死や慢性肺疾患、未熟児網膜症の存在などが発達は成長に影響を及ぼすことがあるので確認する。

 

保護者に聴取する内容

・音に反応するか

・追視するか

・首がすわるか

・栄養方法

・排尿・排便の頻度

・困っていることや疑問点の有無

 

診察内容(カルテテンプレート)

・呼吸音 ・心雑音の有無

・腹部:肝脾を触知するか 頸部、大泉門の触診

・口腔内(舌圧子を用いて)

・股関節の開排制限

・オムツ内(明らかなヘルニアがないか、陰嚢所見、臀部に瘻孔などないか)

・引き起こし反射 ・立てるか? ・腹臥位で首をあげるか

 

見落としてはいけないポイント

・体重増加不全(20g/day未満) およそ3ヶ月では6kg程度とされている

・難聴(音に反応するか)

・視力異常(追視をするか)

・心雑音がないか

・腹部:ヘルニアがないか

・外陰部:停留精巣、陰嚢水腫、陰唇癒合などないか

・股関節:開排制限がないか

 

心配のいらない所見

・上皮性真珠腫:口蓋正中部や歯肉にみられる白い隆起。自然消退する。

蒙古斑:学童期までに自然消退する。

・中心性紅斑:サーモンパッチやウンナ母斑:幼児期に自然消退する。

各種ワクチンの特徴とポイントまとめ

麻疹・風疹(MR)ワクチン

麻疹ワクチンの副反応としては、発熱がもっとも多いものです。20-30%くらいの頻度で、接種後5~14日くらいにみられる。熱性けいれんの体質の方は事前に相談する。注意が必要。発疹(10~20%)も出ることがありますが、いずれも通常1~3日で回復します。まれには接種直後から、注射部位の発赤、腫れ、蕁麻疹などの症状がみられることがあります。症状が3日以上続く場合は、小児科へ受診を。

風疹ワクチンの副反応は、ほとんどない。成人女性に接種した場合、1~2週間後に関節炎がみられることがあるが、数日~1週間ぐらいで治癒します。成人女性の場合、接種後3か月は、妊娠しないよう注意して下さい。いずれも95%以上の方に免疫がつきますが、次第に低下するので、生涯に2回接種することが勧められている。

麻疹

  • 眼の結膜充血、涙やめやに(眼脂)が多くなります。くしゃみ、鼻汁などの症状と共に発熱し、口内の頬粘膜にコプリック斑という特徴的な白い斑点が見られます。
  • 熱がいったん下がりかけ、再び高熱が出てきた時に赤い発しんが生じて発しん期になります。発しんは耳の後ろから顔面にかけて出始め、身体全体に広がります。赤い発しんが消えた後に褐色の色素沈着が残るのが特徴です。
  • 発熱は発しん出現後3~4日持続し、通常7~9日の経過で回復しますが、重症な経過をとることもあり、急性脳炎は発症1,000人に1~2人の頻度で生じ、脳炎や肺炎を合併すると生命の危険や後遺症の恐れもあります。
  • 麻しんは年齢にかかわらず重症になることがあります。特に妊娠中にかかると流産や早産を起こす可能性があります。

風疹

  • 発熱と同時に発しんに気付く疾患です。発熱は麻しんほど顕著ではありませんが、バラ色の発しんが全身に出現します。3~5日で消えて治るため三日はしかとも呼ばれます。
  • 発しんが消えた後には麻しんのような褐色の色素沈着は残りません。
  • リンパ節の腫れは頚部、耳の後ろの部分にみられ、圧痛を伴います。
  • 発熱は一般に軽度で、気付かないこともあります。
  • 妊婦の感染により、胎児が、耳、眼、心臓の異常や精神運動発達遅滞を伴う先天性風疹症候群を発症することがあります。

 

 

四種混合ワクチン(DPT-ポリオ)

次の予防接種は、DPT以外であれば1週間以上あければ受けることが可能であるが、DPTどうしは3~8週間の間隔が必要。4回目は3回目の1年後です。

副反応と有効性

DPTの副反応としては、注射部位の腫れが最も多く、初回接種1回目では、約20%その後接種回数を増すと40~50%に赤くなる、腫れる、しこりができるなどの局所反応が見られます。局所反応は、数日で治まります。冷たいタオルなどで冷やすといいでしょう。まれに、肘を越えて腕全体が腫れる事があります。その時は、受診してください。

発熱は、接種当日か、翌日に見られることがありますが、頻度はせいぜい1%以下で、すぐに下がります。2日以上続く時は、風邪引きなどの他の病気が考えられますので受診して下さい。有効率はとても高いのですが、成人期の抗体低下で百日咳にかかる人が増えてきており、成人での追加の必要性が検討されています。

 

日本脳炎ワクチン

次の予防接種は、日本脳炎ワクチン以外のものなら、一週間以上あければ受けることが可能。日本脳炎1期初回の場合は次の日本脳炎まで1-4週間の間隔が必要。

副反応と有効性

日本脳炎ワクチンの副反応として、発熱は接種後2日以内に1%以下の頻度でみられます。注射部位の発赤、腫れ、および痛みなどがまれに見られることがあるが、心配はいらない。症状が2日以上続く場合は医療機関受診を。

 

水痘(みずぼうそう)ワクチン

副反応と有効性

水痘ワクチンの副反応は、ほとんどない。まれには接種14~30日後くらいに発熱、水痘様発疹がみられることがある。水痘ワクチンは、麻疹や風疹など他のワクチンに比べて有効率がやや低いので(70-80%くらい)、“ワクチン接種はしたけれどもかかってしまった”ということが時々ある。その場合でも、ほとんどは跡形も目立たないほど症状が軽くてすむ。

流行期にワクチンをすると、ワクチンの効果が出る前にかかってしまうことがあります。

自然感染した場合、軽く済めばよいのですが、脳炎など思わぬ後遺症に苦しめられることがある。

 

おたふく風邪ワクチン

副反応と有効性

おたふく風邪ワクチンの副反応としては、接種後7~21日に軽い耳下腺の腫れや痛み、発熱などが約2~3%で出現することがある。まれに、髄膜炎症状を起こすことがあります。高熱、頭痛、吐き気などの症状がみられた場合は連絡を。効果は90%以上です。流行期にワクチンをすると、ワクチンの効果が出る前にかかってしまうことがある。自然感染した場合、軽く済めばよいのですが、難聴など思わぬ後遺症に苦しめられることがある。難聴を予防するという意味でも摂取が進められている。

 

ヒブワクチン

ヒブワクチンの副反応は、ほとんどありません。注射部位の発赤、腫れなどと共にまれに(1%以下)発熱がみられることがある。ヒブワクチンは乳幼児の重症感染症髄膜炎、敗血症)を予防する。効果が高く導入前と比べて重症感染症の発生率は10分の1以下になった。生後2か月から接種を。肺炎球菌ワクチンや4種混合ワクチンと同時接種も可能。

 

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンの副反応としては、急性アレルギー以外は重篤なものはない。ヒブワクチン(以下Hib)と同様です。注射部位の発赤や腫れや発熱はHibより少し多いようです。発熱は接種当日~翌日に見られる。効果はHibと同様にきわめて高く、重症感染症髄膜炎、敗血症)が激減した。Hib、4種混合ワクチンと同時に接種可能。

 

BCG

1歳までに済ませましょう。お勧めは5~8ヶ月です。

BCGの副反応でよくあるものは、接種部位の発赤、腫れ、湿潤、痂皮(かさぶた)など。自然に治まりますが、3ヶ月くらいかかることもあります。接種1~2日後に発赤や腫れが出た時はすぐに診せる。重大なものとしては、上記のアナフィラキシー、全身性BCG感染、骨炎などがありますが、まれなもの。有効率は70~80%くらいです。かかっても髄膜炎などの重症化は抑えられます。

 

B型肝炎ワクチン

副反応としては、注射局所の腫れが主なもので、上記の急性アレルギー反応を除けば重大なものはない。

発熱は接種当日~翌日に見られることがある。半年の間に計3回受けます。

まれに免疫の獲得が十分でなく4回目の追加が必要なことがある。

子供のよだれ、汗などからも感染すると言われ子供全員に定期接種となった。

乳児1ヶ月健診についてまとめてみた

・はじめに:1ヶ月健診は多くの母親が初めて小児科医師に出会う機会である。

・小児科医としては1ヶ月の時点ではほとんど経過観察するものが多く。母親を安心させて帰すことが重要

・体重増加の目安は20〜50g

 

カルテテンプレート

S:

1ヶ月健診。(00ヶ月00日)

同胞:

栄養方法: ミルク量:

 

O:

体温:

体重:(退院時より00g/dayで増量)

大専門:平坦か? 何センチか?(3×3センチ以内が正常)

心音: 呼吸音:

腹部:

肝脾腫:(肝臓は3センチ異常触れると異常)

咽頭:(口腔内所見はなく原因となるので全ての所見の最後にとる)口腔粘膜に舌圧子で除去できない白苔があればカンジダ感染の可能性があるが哺乳に問題なければ自然軽快するため経過観察。

股関節開排制限:

陰部:(男児尿道下裂、停留精巣、陰嚢水腫などを評価)

筋緊張:

引き起こし反射:

モロー反射:

皮膚:

先天性代謝異常:

 

A:

上記に異常ある所見を書く

 

P:

ケイツー処方

予防接種・股関節脱臼についての紙を手渡す。

 

 

母親からの質問

  • 湿疹が出ているですけど?(顔・頭・体)

1か月くらいまでの赤ちゃんの肌は、ホルモンの分泌が盛んであるため、顔を中心に湿疹が出やすい。大人で言えばニキビみたいなものですから、石鹸をしっかり泡立てて洗ってあげる。

化膿しているように見える場合は薬を塗ってあげたほうがいいと思われるが一番重要なのは清潔に保つことである。
今の段階からアレルギーとかアトピーとか心配する必要はありません(今の時期はブツブツが出ても病気ではないから)。2~3か月たっても良くならないような湿疹の場合は、しつこい湿疹ということになります。

  • 母乳が足りているか心配

母乳が足りているかどうかは体重の増加量とおしっこの回数で判断する。おしっこが1日10回以上あれば大丈夫と判断する。母乳をあげた後に泣く子は母乳が足りていない場合もあるが単におっぱい好きな可能性もある。

  • 体、目が黄色い(黄疸)

赤ちゃんは生まれて1週間ぐらいは生理的黄疸がある。しかし母乳栄養の赤ちゃんは1ヶ月健診の時でも体や眼が黄色い場合があるが母乳性黄疸で心配はいらない。しかし体が黄色い+白色便の場合は胆管閉塞の可能性があるため注意。

  • 母乳やミルクを吐いてしまう。

赤ちゃんは体に対して胃が大きく大人よりも吐きやすい構造。お腹が張っている時などはゲップができているか確認。頭を上にして抱っこしたら空気は上に上がってくる。体重の増加が問題なければ大丈夫。

  • 便の回数が多い、少ない

赤ちゃんの便は大人の下痢便(色は黄色から緑がかった色まで)。3日に1度の排便でも大丈夫なことがある。

排便が少ないなら綿棒浣腸の指導を。ミルク、母乳の飲みが悪いや機嫌が悪いなどは医療機関受診を。母乳栄養は特に排便回数が多くなるが生後1ヶ月をすぎると排便回数はだんだんと減ってくる。下痢がひどくオムツかぶれが目立つなら亜鉛華軟膏処方も。

  • 目やにがよく出る

赤ちゃんは鼻涙管が発達していないから目やにが出やすいことがよくある。遅くとも生後6ヶ月には改善していることが多くそれ以後も続く場合は調べたほうがいい。

  • 鼻がブヒブヒいう

赤ちゃんは鼻の奥が狭くてこのようになりやすい。成長とともに改善する。

  • 顔を赤くして気張っている

ウンチを気張っている場合も多く綿棒浣腸の指導を。それ以外でもあったりするが大きくは心配ない。

  • 呼吸がゼーゼー言っている

必ずしも風邪をひいているとは言えない。哺乳が進んでいれば心配いらない。ミルクの飲みが悪いなどあれば小児科へ

  • よりめになっている

赤ちゃんは1ヶ月ぐらいではまだ目が見えていない。2〜3ヶ月ぐらいから認識してあやすと笑ったりする。

時期が来れば治るのがほとんど。

11 痙攣みたいな動きをする

ちょっとのことで手足をピクピクさせたりすることはあるが、目が片方を向いていることや手足が大きくガタンガタンと動かすなどなければ心配いらない。

12 しゃっくりが出る→自然に止まるのを待ちましょう

13 熱が出る 赤ちゃんは体温調節がまだ未熟である。体が熱くなる原因がなかったか考え、原因を除去してから1時間後にもう一度体温測定し38度あるようなら受診を。

 

こんなときは受診してください

・熱がある

・ぐったりして、泣く元気もない

・母乳・ミルクを飲まない

・おしっこの回数がいつもより少ない

・よく吐く

・よく分からないけど、お母さんから見ていつもと違う

 

1ヶ月健診で見落としてはいけない異常と疾患

・頭蓋異常:小頭症、水頭症

・目の異常:先天性白内障、斜視

・耳の異常:難聴、副耳、先天性耳瘻孔

・口の奇形:口蓋裂

・筋性斜頸

・先天性新血管奇形

・消化器系異常:肥厚性幽門輪狭窄、胆道閉鎖症、臍ヘルニア、鼠径ヘルニア

泌尿器科系:尿道下裂、停留精巣、陰唇癒合、膣口閉鎖

・先天性代謝異常

・染色体異常

咳嗽診療について初めから最後まで

咳嗽診療について初めから詳しくまとめてみた

 

咳嗽とは:気道内に貯留した分泌物や異物を気道外に排出するための生体防御反応である

 

咳嗽のメカニズム(上気道・下気道の上皮細胞に咳嗽受容体があり、気道異物や分泌物、炎症などの咳嗽刺激は受容体から迷走神経や舌咽神経、横隔神経などの求心性神経を介して延髄にある咳嗽中枢へ伝えられ、咳嗽中枢からの信号が迷走神経や横隔神経といった遠心性神経を介して横隔膜や胸郭の筋肉に伝わって咳嗽が起こる。

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肺塞栓症や左心不全も咳嗽を起こす。

気道以外にも心外膜や横隔膜、食道、胃にも咳嗽受容体が存在している(GERD、心外膜炎にも咳が出る原因)

ACE阻害薬でも咳嗽が出る(薬剤性)

 

問診のポイント

  • 咳嗽は持続期間によって急性(3週間以内)、遷延性(3〜8週間)、慢性(8週間以上)に分類できる。
  • 8週間以上持続する感染性咳嗽の原因微生物は百日咳菌や結核、非定型抗酸菌、真菌など
  • 発症から3週間以上の遷延性咳嗽では咳喘息、慢性気管支炎、GERD、後鼻漏、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、感染後咳嗽の頻度が高い。したがって感染症やびまん性汎細気管支炎、薬剤、肺がんなどの明らかな原因がなければこれらの疾患を念頭に置いて診療する。

・咳嗽のタイミング(いつ増悪するか、体勢による変化は、季節性、感染症は、精神的ストレスは)

・随伴症状(ろうさ時呼吸困難、胸痛、発熱、体重増悪)

・薬剤歴・既往歴・既往歴・鳥類飼育・喫煙歴・職業歴・施設入所の有無

 

・突然発症:気道異物

・早朝の乾性咳嗽(咳喘息、アトピー咳嗽)

・就寝時に増悪:逆流性食道炎、後鼻漏症候群、食道アカラシア、咳喘息、アトピー咳嗽

・睡眠中は消失:心因性

・先行する感染症:感染後咳嗽

・血痰:肺がん、結核、気管支炎、気管支拡張症、肺膿瘍、肺アスペルギルス症、PE

・慢性の膿性たん:慢性気管支炎、副鼻腔気管支症候群

嗄声:ウイルス性喉頭炎、喉頭癌、喉頭結核

・症状の季節性:咳喘息、アトピー咳嗽

・薬剤・膠原病

・施設入所中:肺結核

 

初診からの対応

・喫煙者ではsmoker’s coughと肺がんなどの鑑別のためまずは禁煙させる必要がある。

・喫煙者とACE阻害薬内服患者を除く慢性咳嗽患者において胸部X線写真が正常であれば後鼻漏、咳喘息、GERDが99.4%をしめる。(後鼻漏31%、気管支喘息26%、GERD17%)

→つまり鼻症状があれば後鼻漏、食事と関係があればGERD、夜間に目立つなら咳喘息(夜間には副交感神経優位となるため)

 

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失神(syncope)の対応について

失神の対応についてまとめ

 

定義:脳の全体的な血流低下による急性発症で、短時間の自然に完全回復する一過性の意識消失。

 

一過性意識消失の鑑別と頻度

・失神(49〜73%)(1神経調節性失神、2心原性失神、3起立性低血圧)

・非失神性一過性意識消失(8〜20%)(神経疾患―けいれん、TIA、偏頭痛、SAH 精神疾患

・不明

高齢になる程心原性失神、起立性低血圧が増加。

 

・まずはバイタル測定

・病歴は本人だけでなく目撃者にも

・危険な疾患(不整脈、肺塞栓、大動脈解離、出血、脳血管障害―特にSAH)

・必要なことは病歴、身体所見、心電図、Hct

 

本当に失神と判断していいのか?

  • 意識消失がない
  • 意識消失が急性発症、一過性、短時間であるか?
  • 外傷後ではないか?―外傷後なら脳震盪かも
  • けいれんはなかったか?
  • 脳血管障害に注意

 

けいれんと失神の鑑別ポイント

・舌咬傷+1

・発作時の既視感・未視感+1

・感情的ストレスが誘因+1

・発作時に頭を側方に向ける+1

・意識消失、異常姿勢、四肢のけいれん、発作の記憶なしのいずれか+1

・発作後に意識障害や混乱、傾眠が続く+1

・失神寸前状態−2

・発作前の発汗−2

・長時間の立位や座位に伴う−2

合計1点以上ならけいれん、0点以下なら失神。

 

  • 心原性失神

心原性失神は他の失神の原因と比較して死亡率が高く疑えば必ず入院して精査する。

心原性失神の可能性をあげる病歴と検査

・患者背景:65歳以上、心疾患の既往、突然死やQT延長の家族歴

・失神発症状況:仰臥位、ろうさ時

・失神前症状:症状が何もない、ある場合は動悸、呼吸困難、胸痛

・身体所見・検査:心疾患を示唆する身体所見、心電図所見

 

失神の原因が心原性と診断可能な、もしくは示唆する心電図所見 

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・危険因子(DVTやその他の血栓症の既往、ピル服用、手術、長時間の不動、悪性腫瘍やネフローゼなどの凝固亢進状態となる疾患の有無)、胸痛、血痰、呼吸困難、低酸素

 

起立性低血圧

・起立時の血の気が引く感じに続いて失神している場合は起立性低血圧の可能性が高い

・ベッドサイドで起立試験を行う。(仰臥位と起立後3分までで何度か血圧と脈拍を測定する。)

起立後の収縮期血圧が20以上、拡張期血圧が10以上低下、収縮期血圧が90未満であれば診断的。

立位での脈の30以上の上昇もしくは重度のめまいは出血を必ず否定する。

・原因としては高齢、神経変性疾患、アルコール、糖尿病、脱水、貧血、薬剤、副腎不全など

 

これでなければ神経調節性失神か?

・感情、恐怖、疼痛、長時間の立位:血管迷走神経反射

・咳嗽、くしゃみ、えんげ、排尿・排便、食後など:状況失神

 

 

 

ICU患者での経腸栄養、カロリー量を増やしても死亡減らず

背景重大な病気の間に異なるカロリーレベルで栄養を送達する効果は不確かであり、患者は通常、推奨される量よりも少ない量を受けます。
方法オーストラリアおよびニュージーランドの46の集中治療室(ICU)で機械的換気を受けている成人を対象とした、多施設二重盲検無作為化試験を実施し、エネルギー密度(ミリリットルあたり1.5 kcal)をルーチン(1.0 kcal perミリリットル)1時間あたりの理想体重1キログラムあたり1 mlの用量の経腸栄養、栄養サポートの開始から12時間以内に開始し、患者がICUにいる間最大28日間継続する。主な結果は、90日以内の全死亡率でした。
結果修正意図治療分析には3957人の患者が含まれていました(1.5 kcalグループでは1971人、1.0 kcalグループでは1986人)。試験中に送達された経腸栄養の量は、2つのグループで同程度でした。ただし、1.5 kcal群の患者は、1.0 kcal群の1262±313 kcalと比較して1日あたり1863±478 kcalの平均(±SD)を受けました(平均差、601 kcal /日; 95%信頼性間隔[CI]、576〜626)。 90日目までに、1.5 kcalグループで合計523人の1948人の患者(26.8%)と1.0 kcalグループで505人の1966人の患者(25.7%)が死亡しました(相対リスク、1.05; 95%CI、0.94 1.16; P = 0.41)。結果は、7つの事前定義サブグループで類似していました。高カロリーの摂取は、生存時間、臓器サポートの受領、ICUおよび病院からの生存日数および臓器サポートなしの日数、または感染性合併症または有害事象の発生率に影響しませんでした。
結論人工呼吸を受けている患者では、栄養の経腸送達のためのエネルギー密度の高い製剤の使用に関連する90日での生存率は、通常の経腸栄養の場合より高くなかった。 (オーストラリア国立衛生医学研究所およびニュージーランド健康研究評議会の資金提供; TARGET ClinicalTrials.gov番号、NCT02306746。)

 

重篤な患者の場合、ガイドラインは、有害な結果に関連する累積エネルギー不足を防ぐために、エネルギー摂取量がエネルギー消費と一致することを推奨します3-5。したがって、経腸栄養は一般的に集中治療室への入院後早期に開始されます( ICU)、1時間あたりの体重1キログラムあたり約1 mlの割合で処方される、1ミリリットルあたり約1 kcalのエネルギー含有量を有​​する製剤を使用6.、7胃腸不耐性などの要因のため胃の残気量、逆流、嘔吐)8および処置の絶食9、推奨されるエネルギー摂取量の60%未満が通常患者に投与されます。10、11重篤な病気後のエネルギー供給と結果との関係を扱った文献は矛盾しています。いくつかの研究では、出産の増加が結果を改善すると報告しています3-5,12-14、他の研究では、推奨される目標を下回る短期エネルギー配給を推奨しています-「許容不足給餌」(1日あたり約1000 kcal)または「栄養摂食」(約400 kcal 1日あたり)—有害作用とは関係ありません。15,16経腸的投与のみではなく静脈内栄養が補給された場合でも、送達の増加も有害であると報告されています。パワー、盲目化の欠如、および推奨されるエネルギー摂取量のすべてを提供できないこと。したがって、結果に対するエネルギー供給の決定的な影響は明確ではありません。パイロット研究19の後、人工呼吸を受ける患者にエネルギー密度の高い経腸栄養を使用してより多くのカロリーを提供するという仮説を検証するために、二国間多施設試験、エネルギー付与への拡張アプローチ(TARGET)を設計しました通常のケアよりも90日以内の生存率が高くなります

 

方法
試験デザイン6月21日の間に、オーストラリアとニュージーランドの46のICUで、治験責任医師主導、無作為化、二重盲検、実用的な試験を実施しました(補足付録の表S1、この記事の全文とともに入手可能)。 2016年、および2017年11月14日。
オーストラリアおよびニュージーランド集中治療協会(ANZICS)臨床試験グループが後援し、管理委員会が設計し、調査員が実施および分析しました(補足資料を参照)。この試験は、国内のピアレビュー組織によって資金提供されました。資金提供者は、試験の設計または実施において役割を果たさなかった。データの収集、分析、または解釈において。または投稿原稿の承認。現物のサポートは、両方の経腸栄養製剤を提供したフレゼニウス・カビ・ドイチュランドによって提供されました。 Fresenius Kabi Deutschlandの代表者が投稿前に原稿についてレビューし、フィードバックを提供しました。しかし、執筆委員会の著者は原稿を書き、出版のためにそれを提出することを決定し、モナッシュ大学が保有するデータの正確性と完全性、およびプロトコルに対する試験の忠実性を保証しました。他の場所20で公開されており、NEJM.orgで入手できます。倫理の承認は、関連するすべての現地の組織審査委員会によって提供されました(補足付録の図S1)。独立したデータおよび安全性監視委員会が試験監督を提供しました。

 

患者集団ICUの18歳以上の患者は、侵襲的機械的換気を受けているか、経腸栄養を開始しようとしている、または過去12時間以内に経腸栄養を開始しており、ランダム化後のカレンダー日以降のICU。治療する臨床医が、試験的経腸栄養処方または分娩率を臨床的に禁忌とみなした患者、または死亡が避けられないとみなされた患者は除外されました。除外基準の完全なリストは、補足付録に記載されています。患者は鎮静状態であり、無作為化の前にインフォームドコンセントを提供できなかった。ただし、試験で使用された両方のタイプの栄養は、現在の管理として受け入れられると見なされます。同意プロセスは、補足付録の図S1で詳細に説明されています。
ランダム化と治療置換ブロックランダム化と部位に応じた層別化を伴う可変ブロックサイズを使用して、エネルギー密度の高いまたは通常の経腸栄養を受けるために適格な患者を1:1の比率でランダムに割り当てました。治療割り当ての隠蔽は、24時間アクセス可能な安全なWebベースのランダム化システムで維持されました。エネルギー密度の高い経腸栄養(1ミリリットルあたり1.5 kcal、フレスビンエナジーファイバーチューブフィード)と通常の経腸栄養(1ミリリットルあたり1.0 kcal、フレスビン1000完全チューブフィード)は、同一の1000 mlバッグで投与されました(図S2補足付録)。配合は色とパッケージングで区別できませんでした。19エネルギー密度の高い配合と通常の配合のカロリー含有量の違いは、脂肪間で共有されました(エネルギー密度の高い配合では1リットルあたり58 g対通常配合では1リットルあたり27 g)炭水化物(1リットルあたり180 gと1リットルあたり125 g); 2つの製剤のタンパク質含量は類似していました(1リットルあたり56 gと1リットルあたり55 g)。完全な製品情報は、補足付録の図S3に記載されています。無作為化後、できるだけ早く試験経腸栄養の投与を開始しました。両方のグループの目標レートは、1時間あたりキログラムあたり1 mlであり、計算された理想体重に基づいていました(補足付録を参照)。15,17,21目標レートは、試験開始後48時間以内に達成することを推奨しました。栄養。ベースラインエネルギー要件の臨床医による推定は、試験の目標レートの決定には使用されませんでした。ただし、このような推定が実行されたときに、情報を収集しました。過給のリスクを最小限に抑えるため、最大目標速度は1時間あたり100 mlです。キャッチアップフィードは許可されませんでした。 1デシリットルあたり180 mg(1リットルあたり10 mmol)以下の血糖濃度が推奨されました。管理の他のすべての側面は、試験的栄養の開始と増加の速度、胃の残余容積の測定の方法と頻度、分娩を増やす戦略など、現地の慣行に従って処理されました。治療する臨床医が補助的な非経口栄養が必要であると判断した場合、禁忌がない限り、試験経腸栄養は継続された。トライアル経腸栄養は、最長28日間、または患者が経腸栄養を中止するか、死亡するか、ICUから退院するまでのいずれか早い時期に投与されました。さらに、タンパク質サプリメントの必要性を含む特定の栄養要件が発生した場合、試験的な経腸栄養は中止されました。患者が経口栄養を開始した場合;または、試験的な経腸栄養が患者の最善の利益とはみなされなくなった場合。 28日以内にICUに再入院し、それでも経腸栄養が必要な患者は、以前に割り当てられた製剤で食事を再開しました。

 

試験結果

主な結果は、無作為化後90日以内の全死因死亡でした。副次的アウトカムには、生存期間(90日目まで評価)、90日間の原因別死亡率、28日目および院内全死因死亡率、無作為化から28日目までのICUフリー日数および入院日数、無料日数が含まれます。ランダム化から28日目までの臓器サポートの割合、および侵襲的換気、昇圧薬、または新しい腎代替療法を受けている患者の割合。その他の副次的アウトカムは、血液培養陽性の患者の割合と、無作為化から28日目までの静脈内抗菌薬投与の割合でした。事前無作為化変数に基づいて、主要転帰の評価のために7つのサブグループが事前に定義されていました:年齢(≥65または< 65年)、診断サブグループ(外傷、敗血症、22神経学的診断、および治療タイプ[医療vs外科])、ANZICSへのリンク後のオーストラリアおよびニュージーランドの死亡リスクスコアに基づく死亡の絶対リスクの五分位数世界保健機関のカテゴリ(<18.5、18.5から24.9、25.0から29.9)に基づく結果資源評価センター(CORE)、23、24およびボディマスインデックス(BMI、キログラムでの体重をメートルでの身長の2乗で割ったもの) 、および≥30.0).25
統計分析すべての分析は、事前に公開されている統計分析計画に従って実施されました26。TARGETフィージビリティスタディおよびANZICS CORE Adult Patient Databaseのデータに基づいて、3774人の患者のサンプルが80%の検出力を提供すると計算しましたベースライン死亡率を20から30%と仮定して、90日間の死亡率で3.8から4.3パーセントの差があります。19,23評価できる4000人の患者に対する6%のサンプルサイズのインフレーションは、フォローアップ中および中間分析。中間分析は、最初の1500人の患者の90日目のフォローアップの完了後に、両側O'Brien–Fleming設計と0.005の両側P値を使用して実行され、データと安全性によってレビューされました。監視委員会。すべての分析は、修正された治療意図の原則を使用して実施されました。27修正された治療意図集団におけるプロトコルごとおよび治療後の感度分析は、一次および二次結果の分析のために実施されました。補足付録)。欠損データの推定に代入は使用されず、分析は利用可能なすべてのデータに基づいて行われ、利用可能な観測の数が報告されました。栄養の毎日の送達と経腸栄養の胃腸耐性を計算する方法は、補足付録に記載されています。連続変数は、平均値と標準偏差として、または中央値と四分位範囲として報告されます。カテゴリー変数はパーセンテージとして報告されます。グループ間の差は、連続変数とカイ二乗検定について、スチューデントのt検定またはウィルコクソンのランクサム検定で分析されました
カテゴリ変数の場合は、推定平均差、中央値差(Hodges–Lehman推定)、または95%信頼区間の相対リスクとして報告されます。サイト(ランダム効果)および事前定義されたベースライン共変量(年齢、急性生理学および慢性健康評価[APACHE] IIスコア)を調整した対数二項回帰を使用して、90日までのあらゆる原因による死亡の相対リスクと95%信頼区間を報告しますICU入場、BMI、国[オーストラリアまたはニュージーランド]、性別、およびICU入場タイプ[医療、選択的外科、または緊急外科])(固定効果)。 28日間および院内死亡率についても、同じ未調整および調整済みの分析が実施されました。対数二項モデルが収束しなかった場合の相対リスクを推定するために、ロバストな標準誤差を伴う修正ポアソン回帰が使用されました。無作為化から90日目までの生存期間をカプラン・マイヤー曲線として示し、ログランク検定の使用と比較します。コックス比例ハザードモデルを使用して、95%信頼区間のハザード比が得られました。 ICUフリー、病院フリー、および臓器サポートフリーの日数は、中央値および四分位範囲として報告されます。サブグループ分析に使用されるメソッドは、補足付録に記載されています。分析は、SPSS Statisticsソフトウェアバージョン22以降(IBM)およびStataソフトウェアバージョン15.1(StataCorp)を使用して実行されました。二次およびその他の結果のテストを実施する際の多重度の修正は事前定義されていませんでした。結果は、ポイント推定値および95%のconfiとして報告されます
デンス間隔。信頼区間の幅は多重度について調整されていないため、グループ間の治療効果の明確な違いを推測するために使用すべきではありません

 

患者の無作為化は、試験の17か月間に4000回実施されました(補足付録の図S4):1997の1ミリリットルあたり1.5 kcal製剤を受け取る割り当て(1.5 kcalグループ)および2003の割り当てで1ミリリットルあたり1.0 kcalを受け取る定式化(1.0 kcalグループ)が行われました。合計で、3997人の患者が無作為化を受け(3人の患者が不注意に無作為化を2回受けた)、3957人の患者が修正意図治療集団に含まれました。
(1.5 kcalグループでは1971年、1.0 kcalグループでは1986年)。 3914人の患者(97.9%)からのデータは、修正意図治療集団の主要転帰の分析に利用できました(1.5 kcalグループの1948人の患者と1.0 kcalグループの1966人の患者)(図S5の補足付録)。人口統計学的特性および臨床的特性は、ベースライン時のグループ間でバランスが取れていました(補足付録の表1および表S2)。 ICU入院からランダム化までの時間の中央値は14.2時間(四分位範囲6.2〜24.9)で、2つのグループで類似していました(表1)。ほとんどの患者(72.7%)は、非手術診断で入院しました。
栄養の経腸分娩患者は、1.5 kcalグループで中央値6.0日(四分位範囲3.0〜11.0)、1.0 kcalグループで6.0日(四分位範囲3.0〜11.0)の試験栄養を受けました(P = 0.84 )(表2)。試験的経腸栄養を中止する理由は、2つのグループで類似していた(補足付録の表S4)。提供された試験経腸栄養の平均(±SD)量(1.5 kcalグループでは1日あたり1242±318 ml、1.0 kcalグループでは1日あたり1262±313 ml、平均差、-20 ml、95%信頼区間[CI]、-40〜0)および目標レートの割合(それぞれ81±17%および82±16%、平均差、-1パーセントポイント、95%CI、
−2から0)は、2つのグループ(表2および補足付録の図S6)で類似しており、プロトコルへの非遵守率(補足付録の表S5)も同様でした。 1.5-kcal群の患者は、1.0-kcal群の患者よりも試験的経腸栄養から47.6%多いカロリーを摂取しました:1863±478 kcal /日と比較して1262±313 kcal /日(平均差、601 kcal /日) ; 95%CI、576〜626)(表2および図1)。試験の患者の65%が1日のカロリー所要量の推定値を入手できました。試験経腸栄養は、1.0 kcalグループの69±18%と比較して、1.5 kcalグループの臨床医が推定した要件の103±27%を達成しました(平均差、34パーセントポイント、95%CI、32〜36) (補足付録の表S3および図S7)。追加の非経口栄養を受けた患者の数は、1.5 kcalグループで109(5.5%)、1.0 kcalグループで85(4.3%)でした(相対リスク、1.29; 95%CI、0.98〜1.70)。すべてのソースから組み合わされた平均カロリー数は、1.0 kcalグループよりも1.5 kcalグループで高かった(1930±547 kcal 1日あたりvs. 1407±397 kcal 1日あたり;平均差523; 95%CI、 493〜553)(表2および図1)。
経腸栄養の胃腸耐性と代謝効果胃の最大残留容積の中央値は、1.0 kcalグループよりも1.5 kcalグループの方が大きかった(250 ml [四分位範囲、100〜441]対180 ml [四分位範囲、65〜 360];差の中央値、40 ml; 95%CI、30〜50)。逆流または嘔吐は1.5-kcal群でより一般的であり(18.9%対15.7%;相対リスク、1.20; 95%CI、1.05から1.38)、1.5-kcal群はより多くの促進薬を投与された(47.4%対39.6 %;相対リスク、1.20; 95%CI、1.11〜1.29)およびインスリン(1日あたり3.0 IU [四分位範囲、0〜41.8] vs. 1日あたり0.0 IU [四分位範囲、0〜30.6]、差の中央値、0.0 IU 1日あたり、95%CI、0.0〜0.0)(補足資料の表2、および表S3)。インスリンを投与された1.5 kcalグループの患者数は1093(55.8%)でしたが、1.0 kcalグループの964(49.0%)(相対リスク、1.14; 95%CI、1.07から1.21)、毎日の血糖値は、1.0 kcal群よりも1.5 kcal群で高かった(デシリットルあたり225.2 mg [四分位範囲、185.6〜277.4] [12.5ミリモル/リットル、四分位範囲、10.3〜15.4] vs.デシリットル212.6 mg [四分位範囲、174.7〜261.2] [11.8ミリモル/リットル、四分位範囲、9.7〜14.5];中央値差、12.6 mg /デシリットル、95%CI、9.0〜18.0 [0.7ミリモル/リットル、95%CI、0.5〜1.0 ])。呼吸器および生化学データは、補足付録の表S3に要約されています。

 

アウトカム90日目までに、1.5 kcalグループの合計523人の1948人の患者(26.8%)と1.0-kcalグループの505人(25.7%)が死亡した(相対リスク、1.05; 95%CI、0.94 1.16; P = 0.41)(補足付録の表3および表S6)。試験施設とベースラインの共変量の調整後、グループ間で死亡率に有意な差はありませんでした(補足付録の表S7)。結果は、プロトコルごとおよび処理されたままの感度分析で変化していません(補足付録の表S8およびS9)。 90日目までの生存期間に治療群間で有意差はなく(図2A)、90日目での死亡率はいずれの事前定義されたサブグループでも有意差はなかった(図2B)。治療グループに応じた二次結果は、表3および補足付録の表S6に示されています。報告された所見は、治験実施施設と事前定義されたベースライン共変量の調整を伴う二次死亡率の結果の副次的分析で差はなかった(補足付録の表S7)。 1.5 kcalグループの54人の患者(2.7%)と1.0 kcalグループの51人の患者(2.6%)で1つ以上の有害事象が発生しました(補足資料の表3および表S10)。

 

討論
この多施設二重盲検無作為化試験では、重篤な成人のエネルギー密度の高い経腸栄養を標準的な経腸栄養と比較しました。エネルギー密度の高い栄養を使用すると、エネルギー摂取量が推奨される目標にほぼ近づくまで増加しましたが、死亡率や臓器補助や入院期間などの主要な副次的結果には影響しませんでした。いくつかの非盲検のランダム化試験では、重病時のエネルギー供給が評価されています。15-17これらおよびその後のメタ分析では、摂取量の増加に伴う改善された結果は報告されていません。
ガイドラインでは、支出に合わせて1日あたり1キログラムあたり25〜30 kcalのエネルギー摂取を推奨しています。1私たちの調査結果は、この推奨をサポートしていません。結果に対する影響は、臨床的に重要なサブグループ間で差はありませんでした。特に興味深いのは、ベースラインで栄養不足の患者です。大規模な栄養試験でベースラインの栄養状態を正確に定量化するための合意されたアプローチがないため、BMIを代理マーカーとして使用しました。 BMIが18.5未満であった患者はわずか89人(2%)であり、このような患者でのエネルギー供給の効果についての推論は不可能でした。対照的に、患者の3分の1は肥満でした(BMI> 30)。専門家の意見に基づくガイダンス文書では、肥満患者に対する低カロリー(1日あたり1キログラムあたり11から14 kcal)の高タンパク質摂取が推奨されています1。以前の研究では、我々の試験で観察されたように、エネルギー送達の増加を伴う上部消化管不耐症および高血糖が報告されています。15,16不耐症は、1.5 kcal製剤の浸透圧および脂質含量の増加にも関連している可能性があります。エネルギー供給で約50%の違いがある2つの製剤を研究しました。目標レートは、実際の体重ではなく理想的な体重を使用して計算され、一貫性を確保し、1.5 kcalのグループでの過食のリスクを回避します(カロリー送達、1日あたり理想体重1 kgあたり29.1 kcalおよび23.1 kcal 1日あたりの実際の体重のキログラム)。過食の臨床的証拠は観察されなかったことに注意することが重要です。死亡率は2つのグループで類似しており、二酸化炭素レベルは高くなかったため、人工呼吸器からの離脱には時間がかからず32、感染性合併症はそれほど一般的ではなかった17,33 1.0-kcalグループよりも1.5-kcalグループ。私たちの大規模で実用的な試験では、盲目的な設計でエネルギー消費を測定することは不可能でした。したがって、測定された支出に合わせて配達を行うことが有益かどうかは不明のままです。エネルギー供給と生存の関係は非線形であるか、供給のタイミングやタンパク質の投与に関係している可能性があります。注目すべきは、送達されたタンパク質の量が通常の実践で送達された量を超え、ガイドラインで推奨されているタンパク質送達の量に類似していたことです。経腸栄養は、臨床医の裁量で開始されましたが、両方のグループでICU入院の24時間以内に行われました。それにもかかわらず、経腸経路を介した完全推奨エネルギーの早期送達は、より悪い転帰と関連していなかった。リン酸濃度は、1.5 kcalグループに割り当てられた患者でわずかに低かった。低リン血症が発現する患者にはカロリー制限が適切であるという証拠がいくつかありますが34、我々の研究ではカロリー制限への体系的なアプローチは使用しませんでした。最後に、患者の大半は
私たちの試験では、医学的な患者でしたしたがって、カロリー供給量が増加した外科患者または外傷患者では、異なる反応が可能です。結論として、現在の試験では、高エネルギーの経腸栄養の投与によるエネルギー摂取量の増加は、重症患者の生存に影響しませんでした。

脳腫瘍における脳浮腫の軽減(転移性脳腫瘍を含む)

はじめに

 脳腫瘍では腫瘍周囲の浮腫があり、これの軽減のためにデキサメタゾンが使用されることが多い。投与により70%の症例で臨床症状の改善が見込まれる。投与開始より24時間以内に神経症状の改善を認めることが多い。

 

処方例:デキサメタゾン(デキサート)初回10mg静注 その後6時間ごとに4mgずつ静注。臨床所見を見ながら1日1回の投与まで減量を検討。浮腫が軽減し経口摂取可となり次第減量する。

上記に加えて

グリセレブ 1日2回+てんかんの危険性があれば イーケプラ500mg 2回など

 

忘れてはいけないのはあくまでも一時的な浮腫の改善であるので次の手を打たないと必ず神経所見は悪化するということである。圧迫病変に対して臨床状況が許せば放射線治療、手術による圧迫解除なども視野に入れて治療していく必要がある。

 

転移性脊椎腫瘍による脊髄圧迫

 転移性病変による脊髄圧迫では根本的な治療として緊急放射線治療や手術療法による腫瘍圧迫解除が必要になることもある。脳と異なり、脊髄障害による神経機能予後は悪く、早い対応が必要。処置までに応急的な治療としてデキサメタゾンによる治療が必要となる。デキサメタゾンの投与量についてはガイドラインでは低用量投与が推奨されている。

処方例:デキサメタゾン初回10mg静注。その後6時間ごとに4mg静注。1日投与量は最大16mg

 

横断性脊髄炎

 横断性脊髄炎は1〜8/100万人/年と頻度は少ないが完全な脊髄障害が完成した場合は対麻痺や感覚障害などの重大な後遺症を残すリスクがある。早期治療が後遺症を残さないポイントとなる。

 脊髄炎を起こすもので頻度の高いものとしては抗アクアポリン4抗体関連疾患(視神経脊髄炎など)がある。横断性脊髄炎の鑑別疾患としてはNMO・NMO spectrum disorder・多発性硬化症膠原病関連疾患・血管障害・腫瘍・感染など。治療は早期が望ましいが神経内科医師に相談してから治療介入がベスト。

処方例(相談できない時の初期治療)

メチルプレドニゾロン1000mg+生理食塩水200ml 2時間で点滴 3日間継続

その後で経口PSL1mg/kg/dayを内服開始する。効果が得られなければ血漿交換療法を検討する