gimresi's blog

みきと@研修医・内科×とある総合診療専攻医のブログ

片田舎のとある総合診療専攻医のアウトプット用ブログです。たまには関係ないことも綴ります。

腫瘍・緩和系

脳腫瘍における脳浮腫の軽減(転移性脳腫瘍を含む)

はじめに 脳腫瘍では腫瘍周囲の浮腫があり、これの軽減のためにデキサメタゾンが使用されることが多い。投与により70%の症例で臨床症状の改善が見込まれる。投与開始より24時間以内に神経症状の改善を認めることが多い。 処方例:デキサメタゾン(デキ…

がん緩和ケアガイドブック 気持ちのつらさへの対応

はじめに ・気持ちのつらさとは精神的苦痛に関する幅広い概念。 ・不安は不確実な脅威に対する心理反応である。がん患者の具体的な不安の内容として死への恐怖、今後の生活への不安、自信・生きがいの喪失、些細な体調変化をがんの進行と捉えてしまうなどあ…

がん緩和ケアガイドブック消化器症状の対処法

消化器症状の対処法についてをまとめる 嘔気・嘔吐について 原因、機序まとめ 評価のポイント ・がん患者はがんに対する治療やがん自体によって症状が出ているとまず考えよう。 ・まずは原因検索。薬剤、血液検査、身体所見、腹部X線、必要なら腹部超音波、C…

がん緩和ケアガイドブック神経ブロック治療について

神経ブロックについてのまとめ記事 はじめに ・がん疼痛を持つ患者の70〜90%はWHO方式がん疼痛治療法に沿った薬物療法でコントロールできると言われている。しかし鎮痛薬や鎮痛補助薬による副作用によるQOL低下が問題となる場合があり、患者の予後が長…

がん緩和ケアガイドブック 放射線治療について

適応となる状態 ・がん病巣が存在することに伴う疼痛は全ての放射線治療の対象となりうる。 ・代表例は有痛性骨転移(60〜90%の症例で痛みの緩和が期待できる) ・治療効果の発言には2週間程度用することが多い。4〜8週で最大になる。 ・神経障害性…

がん緩和ケアガイドブック 鎮痛補助薬について

鎮痛補助薬の使い方 適応:オピオイドなどの鎮痛薬を増量しても無効、効果不十分なとき 使い方のポイント ・有効率は15〜30%。副作用(主に眠気)があるので鎮痛効果と副作用とのバランスが大事。 ・開始後1週間で効果を判定する。1種類の薬剤を副作…

がん緩和ケアガイドブックオピオイド導入〜副作用対策

オピオイド導入→副作用への対応 悪心への対応 はじめに ・悪心はオピオイド使用患者の30%に生じる1〜2週間以内に改善するが一旦出現するとオピオイド継続が困難となるので予防対策が必要。 評価のポイント ・悪心とオピオイド開始・増量との時間経過を…

がん緩和ケアガイドブックをコンパクトにまとめる記事 基本編

がん緩和ケアガイドブックまとめ② 症状マネジメント 痛みにおいて目標は3つ 第一目標:痛みによる不眠を解消して睡眠の確保 第二目標:安静時は痛みなく過ごしてもらう 第三目標:体動時の痛みを取ってあげる WHO方式癌治療の5原則 経口投与を基本とする(…

がん緩和ケアガイドブックをコンパクトにまとめる記事

癌緩和ケアガイドブック 監修:日本医師会 をコンパクトにまとめてみた まずは用語と解説 緩和ケアとは? →重い病を抱える患者やその家族一人一人の身体や心などの様々なつらさをやわらげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケア WHOによる…

癌性リンパ管症についてまとめてみた

癌性リンパ管症(lymphangitis carcinomatosa) とは何か? 研修医でも呼吸器内科などをローテートした人なら経験したことがあるのではないだろうか。 頻度は明確なデータはないが、がん細胞の転移様式のひとつと言われ発症すれば予後は数ヶ月という状態であ…

オピオイドスイッチについて

初めてオピオイドスイッチするときはどうすれば良いのか? オピオイドスイッチとは? →なんらかの理由で現行使用しているオピオイドが継続困難になった場合に別の種類のオピオイドに変更すること。オピオイドは投与方法の違いや呼吸抑制などの副作用から種類…

オピオイド(医療用麻薬)についてまとめ 等換算表

オピオイドについて オピオイド(医療用麻薬)は末期患者(特にがん性疼痛がコントロールできない)に対してQOLを改善する目的で使用される。患者によってはこのような緩和医療に拒否反応を示す人も一定するおり導入には十分な説明が必要である。今回はオピ…