gimresi's blog

みきと@研修医・内科×とある総合診療専攻医のブログ

片田舎のとある総合診療専攻医のアウトプット用ブログです。たまには関係ないことも綴ります。

小児科診療 嘔吐・下痢を主訴に来院

嘔吐・下痢は小児科診療で出くわす主訴のうち最も多いものの一つである。

今回はその時の対応についてまとめる。

 

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この症候では嘔吐のみではないということが大事である。

つまり胃腸炎として経過が合わないところがないか?を常に考えながら診療にあたるのが基本となる。

 

全年齢に共通して言えることはとして一番頻度が多いのが胃腸炎である。(小児は大人と同じものを食べて大人が胃腸炎となる量よりもかなり少ない量で胃腸炎を発症すると考えられる)

 

しかし嘔吐のみである場合には、嘔吐というものは多くの疾患の部分的な症状となる可能性があるため注意が必要となる。嘔吐で考えられる疾患を列挙する

・細菌性髄膜炎 ・尿路感染症(高齢者でも嘔吐、食欲低下の原因となる)

・中耳炎、副鼻腔炎 ・心不全 ・腸重積 ・虫垂炎 ・DKA ・頭蓋内出血 ・副腎不全

また繰り返す嘔吐をきたす場合は

イレウス ・肥厚性幽門狭窄(噴水用嘔吐) ・ヘルニア ・精巣捻転 ・薬物

 

このように嘔吐のみであれば胃腸炎以外の鑑別も当然考えるが

嘔吐、下痢、腹痛のうち2つ以上症状がある場合はまずは胃腸炎として対処する。

患者が3歳未満であればノロウイルス迅速検査を行う。

原因はノロウイルス以外のウイルスであり診断がつかない場合も多く、整腸薬を1週間ぐらい処方して帰宅する。

嘔吐・下痢がより酷くて経口摂取ができない場合は再度受診もしくは点滴、必要に応じて入院とするのが一般的であると考える。

 

3〜4日して今よりも症状がひどくなったり、改善がなく脱水が考えられる場合には再度医療機関受診を勧める。

また便の色が明らかにおかしい場合は便培養検査を考慮する。