夜間小児科外来 発熱対応編
夜間小児科外来 発熱対応編
はじめに
小児科外来では夜間・昼間にかかわらず最も受診する理由が多いものの一つが発熱である。今回は発熱の際に夜間外来で行う対応について概説する。
何を聴取するか?
・いつからの発熱?
・咳嗽・鼻水などの随伴症状はあるか?
ある:風邪・ウイルス感染を疑う→インフルエンザ(冬なら)、RS、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)
参考までに
保険適応
・インフルエンザ検査は48時間以内に2回まで、最終検査から1週間以上間隔あけて1か月4回まで
・ノロウイルス検査は3歳未満、65歳以上
・RSウイルス検査は1才未満のみ
・ヒトメタニューモウイルスは6歳未満で肺炎が疑われる(つまり胸部レントゲンとセットの時のみ)時のみ
・インフルエンザウイルス検査以外は月1回までです
・溶連菌検査は抗生剤を内服する前のみ
ない:アデノウイルス、溶連菌の迅速検査
・周りで流行している疾患はないか?
・体重は?
迅速結果別の処方薬
・インフルエンザ(+):学童までタミフル、学童からイナビル(吸えるかどうかが大事)+カロナール+咳止め・去痰薬(カルボシステイン)など
・RSもしくはhMPV(+):カロナール+咳止め・去痰薬
・アデノウイルス:RSもしくはhMPVと同じ
・溶連菌感染:ペニシリン系抗菌薬(ワイドシリンなど)10日+カロナール
・いずれも陰性:本当は必要ないがクラリス+整腸薬+カロナール+咳止め・去痰薬
・発熱以外の症状なくいずれも迅速検査陰性:突発性発疹の可能性あり。解熱後全身に発疹が出現する可能性を説明し内服、塗り薬など何も必要なく消失することを説明。
おまけ
・熱性痙攣を調べるうちにインフルエンザと判明→点滴をとっていることが多くラピアクタ(インフルエンザ点滴薬)
・インフルエンザ以外には抗ウイルス薬は適応がない。対処療法と説明が治療。