gimresi's blog

みきと@研修医・内科×とある総合診療専攻医のブログ

片田舎のとある総合診療専攻医のアウトプット用ブログです。たまには関係ないことも綴ります。

外来

痺れに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 いわゆる神経痛に対して漢方薬は良い適応であるが、現代医学が対応困難な痺れにも適応できる。 処方前に押さえておくべきこと ・器質的疾患を除外し現代医学で診断できるものはきちんと診断しておく。 ・例えば手根管症候群、肘部管症候…

便秘・下痢に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 悪性腫瘍などの器質的疾患のない常習便秘や下痢の場合は過敏性腸症候群が漢方治療の良い適応となる。 処方前に押さえておくべきこと ・便秘の場合:通常の下剤で腹痛やひどい下痢になる症例(虚証)には大黄を含む方材の処方には注意。使…

腹痛・腹部膨満感に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 上腹部では胃炎・消化性潰瘍・機能性ディスペプシアなどが適応。下腹部では過敏性腸症候群や瘀血による腹痛、寒冷刺激による腹痛などである。腹部膨満の代表疾患であるイレウスは現代医学的治療に漢方薬を併用すると効果的で、開腹術後も…

不眠に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 精神生理性不眠。現代医学的には取り上げない冷えやほてりのための不眠も良い適応となる。 処方前に押さえておくべきこと ・不眠の訴えに対して原因を踏まえた上でまず生活指導を行うことが不可欠。その上で投薬 ・漢方薬がよく効くケー…

頻尿・排尿困難に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 加齢に伴う下部尿路疾患、特に過活動膀胱や前立腺肥大症の初期病期と慢性膀胱炎が良い適応 処方前に押さえておくべきこと ・下部尿路症状には頻尿や排尿困難の他に尿意切迫感・尿失禁・残尿感・排尿痛などがあり重複が多く見られる。 ・…

鼻水・鼻づまりに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 アレルギー性鼻炎は通年性・季節性を問わず良い適応となる代表的な疾患である。 処方前に押さえておくべきこと ・アレルギー性鼻炎には麻黄剤がとても有効ではあるが、麻黄はエフェドリン、プソイドエフェドリンを主成分とするため注意が…

頭痛に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 漢方治療は偏頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛に良い適応がある。薬物乱用頭痛対策にも有効である。 処方前に押さえておくべきこと ・頭痛は大きく分けて一次性と二次性がある。 ・一次性頭痛とは頭痛そのものを呈する疾患であり、偏頭…

更年期障害(冷え・のぼせ)に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 更年期障害には漢方薬は良い適応となる。血の道症の一つ。 処方前に押さえておくべきこと ・加味逍遙散の処方に呈している患者さんは問診票に山のように症状を列記している人が多い。(不定愁訴) ・処方後に便通がつけば効果あり、下痢…

肩こりに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 一般的な肩こりから頸肩腕症候群まで漢方は幅広く適応できる。 処方前に押さえておくべきこと ・長時間のスマートフォン操作やパソコン作業での悪い姿勢、椅子と机のアンバランスなどが背景にある場合も多いので改善をすすめる。悪い姿勢…

胸焼けに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 胃食道逆流症GERDのうち特に非びらん性胃食道逆流症が良い適応である。 処方前に押さえておくべきこと ・胃食道逆流症GERDは内視鏡所見陽性で症状がみられる逆流性食道炎と所見がないのに症状が見られる非びらん性胃食道逆流症NERDに分類…

筋痙攣・筋肉痛に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 筋痙攣全般、中でも腓腹筋痙攣(こむら返り)は良い適応。筋肉痛全般、特に筋肉疲労など原疾患の明らかでないものは漢方治療の良い適応 処方前に押さえておくべきこと ・筋痙攣・筋肉痛ではまず症状発作時の急性期の治療があり、即効性の…

悪心・嘔吐に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 急性および慢性胃炎、感染性胃腸炎、機能性胃腸症、二日酔いなど 処方前に押さえておくべきこと ・心下振水音、胸脇苦満などの腹証を把握することが鑑別に必要 ・悪心・嘔吐のほかの随伴症状を問診で把握することも大切 ・胃がんや胃潰瘍…

めまいに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 心因性めまい、メニエール病や良性発作性頭位めまい症などの内因性めまい、起立整調整障害、更年期障害に伴うめまいが良い適応 処方前に押さえておくべきこと ・めまいという症状だけに注目するのではなく、背景にある生活リズムの変化、…

うつ症状に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 うつ病(大うつ病性障害)や双極性障害(躁鬱病)などの精神疾患によらないいわゆる病的ではないうつ症状は良い適応 処方前に押さえておくべきこと ・病的なうつ症状を認めるうつ病や双極性障害などの精神疾患は抗うつ薬や気分安定薬、非…

浮腫に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 原因が特定できない非特異的な場合や西洋医学的治療による効果が得られない場合、あるいは副作用のために西洋薬の服用継続が困難な例に考える。 口渇・多飲の割に尿量が少ないのが典型的な症候。頭痛、めまい、悪心、嘔吐、下痢などを伴…

発汗・寝汗に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 体力低下が顕著で明らかな原疾患がなく、寝汗や発汗のある場合。 高齢者や体力低下した者が急性上気道炎などの急性発熱性感染症に罹患し解熱後に寝汗が続く場合。 処方前に押さえておくべきこと ・発汗異常の原因となる疾患を十分検索し…

風邪診療 発熱+発疹

はじめに このカテゴリーとして最も多いのは蜂窩織炎である。全身性であれば診断がつかない何らかのウイルス感染に伴うもの(中毒疹)、もしくは薬疹の疑いとなることが多い。 病歴聴取 ・年齢:高齢者ではウイルス感染ではなく、非感染性疾患(薬剤性)もし…

抗インフルエンザ薬の特徴と使いかた

はじめに 抗インフルエンザ薬は複数種類あり、その投与経路、回数、薬価など微妙な違いがある。今回はその違いを解説し、何を処方すべきか選べることを目標にまとめる。 インフルエンザウイルスは発熱後48〜72時間にウイルス量が最大となるため48時間…

夜間小児科外来 咳嗽が止まらない編

夜間小児外来 咳嗽だけある場合 はじめに 発熱がなく咳嗽のみある場合などは呼吸状態が悪くなければ帰宅できるが、ずっと続く咳嗽は保護者の心配が強くなるため器質的疾患がないか調べて症状緩和してあげる処方が必要となる。 まずはバイタルサインを確認。 …

夜間小児科外来 嘔吐・下痢・腹痛編

夜間小児科外来 嘔吐・下痢・腹痛編 はじめに これらが主訴で夜間外来を受診する子供はかなり多い。特に嘔吐は子供には頻繁に起こる。原因は胃腸炎が多いが対応について概説する。 何はともあれバイタルサインが整っていれば浣腸! 浣腸して便の状態を観察す…

食欲不振に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 食欲不振は多くの疾患で見られるが、原疾患が軽快しても消失しない場合や原疾患が不明または治療困難な場合も適応になる。 処方前に押さえておくべきこと ・食欲不振は消化器症状として単独で見られるよりも、多くは胃もたれ、悪心、胸焼…

漢方処方ベスト20選 処方ランキング20を一気に列挙

漢方薬の種類は非常に多岐にわたり種類だけでも100種類を超える。 また1種類の漢方でも複数の症候に効果があり、その適応は厳密には決定されておらず効きそうな人に処方するという曖昧な適応となっているのが現状ではないだろうか。 今回はその非常に多…

易疲労・倦怠感に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 重篤な器質的疾患のない時、外科手術後、悪性腫瘍で抗がん剤治療や放射線療法を行なっている時、および慢性閉塞性肺疾患、軽うつ状態、機能性胃腸症などに付随して易疲労・倦怠感を訴える時 処方前に押さえておくべきこと ・肉体的疲労は…

風邪診療についてまとめ 発熱+消化器症状型

発熱に加えて消化器症状つまり下痢を伴っていればそれが細菌性かウイルス性かはたまた炎症性腸疾患などによるものかなど鑑別は様々あるが頻度の高いものとしては圧倒的に感染性胃腸炎ということになるだろう。 まずは感染性胃腸炎について話をまとめる。 臨…

胃もたれに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 機能性胃腸症、特に食後愁訴症候群が漢方治療の良い適応となる代表的な疾患である。 処方前に押さえておくべきこと ・臨床上、機能性消化管障害においてはオーバーラップを認めることが多いとされる。 ・食後愁訴症候群と心窩部痛症候群…

風邪診療まとめ 発熱+頭痛型

このカテゴリーで見逃してはいけないのが何といっても髄膜炎である。 発熱に加えて今までに感じたことのない頭痛を訴える場合には常に髄膜炎を考えなくてはならない。 しかしその違いは難しくどうゆう場合に髄膜炎を疑って腰椎穿刺を施行すべきかを考える。 …

風邪診療にまとめ 微熱+倦怠感がある場合

風邪のような感染症は数多くあります。 今回はその中でも微熱+倦怠感をきたす疾患にフォーカスを絞ってまとめます。 微熱+倦怠感とは感冒症状があるにも関わらず咳嗽、鼻水、咽頭痛などがなく症状のメインが倦怠感である状態。 倦怠感という訴えは医師とし…

風邪診療について 局所臓器症状不明瞭・高熱のみ型 後編

熱源不明の患者でチェックすべき部位とポイント 結膜 結膜炎(咽頭結膜熱など)、黄疸(胆道感染)、点状出血(感染性心内膜炎)、充血(レプトスピラなど) 両上顎の圧痛の有無 副鼻腔炎では圧痛ではなく左右左程度のことも多い 口腔・咽頭・頬粘膜・軟口蓋…

風邪診療についてまとめてみた 〜局所臓器症状不明瞭・高熱のみ型〜

はじめに ・風邪という誤審が最も起こしやすいパターンが局所臓器症状不明瞭型の特徴である。 ・命に関わる敗血症がこのパターンに含まれるため注意が必要。 ・何らかの敗血症の初期かもしれないという認識で診療にあたる。 局所臓器症状不明瞭・高熱のみ型…

感冒症状(風邪・上気道感染)に対する処方まとめ

いわゆる風邪という疾患は発熱、頭痛、咽頭痛、咳嗽、鼻水など多岐にわたる症状が同時に同程度起こるとされている。しかしただの風邪に抗菌薬処方は有効ではなく、作用に比べて副作用のリスクの方が高いという認識が必要と考えられる。 一方で風邪に対しては…