gimresi's blog

みきと@研修医・内科×とある総合診療専攻医のブログ

片田舎のとある総合診療専攻医のアウトプット用ブログです。たまには関係ないことも綴ります。

乳児健診 3〜4ヶ月編

乳児健診 3〜4ヶ月編 はじめに:早産の場合ワクチンは出生日を基準に接種を行うが、成長・発達については出産予定日を基準に判断する。そのほかに新生児仮死や慢性肺疾患、未熟児網膜症の存在などが発達は成長に影響を及ぼすことがあるので確認する。 保護…

各種ワクチンの特徴とポイントまとめ

麻疹・風疹(MR)ワクチン 麻疹ワクチンの副反応としては、発熱がもっとも多いものです。20-30%くらいの頻度で、接種後5~14日くらいにみられる。熱性けいれんの体質の方は事前に相談する。注意が必要。発疹(10~20%)も出ることがありますが、いずれ…

乳児1ヶ月健診についてまとめてみた

・はじめに:1ヶ月健診は多くの母親が初めて小児科医師に出会う機会である。 ・小児科医としては1ヶ月の時点ではほとんど経過観察するものが多く。母親を安心させて帰すことが重要 ・体重増加の目安は20〜50g カルテテンプレート S: 1ヶ月健診。(00…

咳嗽診療について初めから最後まで

咳嗽診療について初めから詳しくまとめてみた 咳嗽とは:気道内に貯留した分泌物や異物を気道外に排出するための生体防御反応である 咳嗽のメカニズム(上気道・下気道の上皮細胞に咳嗽受容体があり、気道異物や分泌物、炎症などの咳嗽刺激は受容体から迷走…

失神(syncope)の対応について

失神の対応についてまとめ 定義:脳の全体的な血流低下による急性発症で、短時間の自然に完全回復する一過性の意識消失。 一過性意識消失の鑑別と頻度 ・失神(49〜73%)(1神経調節性失神、2心原性失神、3起立性低血圧) ・非失神性一過性意識消失…

ICU患者での経腸栄養、カロリー量を増やしても死亡減らず

背景重大な病気の間に異なるカロリーレベルで栄養を送達する効果は不確かであり、患者は通常、推奨される量よりも少ない量を受けます。方法オーストラリアおよびニュージーランドの46の集中治療室(ICU)で機械的換気を受けている成人を対象とした、多施設二…

脳腫瘍における脳浮腫の軽減(転移性脳腫瘍を含む)

はじめに 脳腫瘍では腫瘍周囲の浮腫があり、これの軽減のためにデキサメタゾンが使用されることが多い。投与により70%の症例で臨床症状の改善が見込まれる。投与開始より24時間以内に神経症状の改善を認めることが多い。 処方例:デキサメタゾン(デキ…

ステロイドカバーについてまとめてみた

1 ステロイド使用者の周術期・急性ストレス期にステロイドカバーが必要な理由は? →内因性のステロイド分泌が抑制されているため 2 ストレス時急性腎不全ではどのような症状、検査所見があるか? →低血糖・ショック、意識障害、電解質異常(低ナトリウム、…

Bell麻痺やRamsay Hunt症候群でのステロイドの使い方

Bell麻痺 顔面神経系の膝神経節に潜伏感染したヘルペスウイルスによる再活性化によって生じる。ウイルス性神経炎による神経浮腫と骨性顔面神経管内における神経の圧迫、循環不全により顔面神経の麻痺が起きる状態である。 症状は48時間以内に最大となり予…

リウマチ膠原病疾患でのステロイドの使い方(関節リウマチとリウマチ性多発筋痛症)

関節リウマチ 症例1 脊椎圧迫骨折の既往がある65歳女性。1ヶ月前からの多関節痛を主訴に近医を受診した。左右2〜5指のDIP関節、右肘関節、左膝関節に主張、疼痛あり、血液検査でリウマトイド因子と抗CCP抗体が陽性であった。関節リウマチと診断しメト…

内分泌疾患でのステロイドの使い方

甲状腺クリーゼの中でステロイドの使い方 症例1 30歳女性。上腹部痛・下痢・発熱を主訴に来院。意識障害なし。甲状腺はびまん性に腫大し頻脈140(不整)・振戦も認めた。血液検査ではTSH<0.01,Free T4>7.77,Free T3 27.5,TSH受容体抗体陽性であり、バ…

感染症でのステロイドの使い方

はじめに 感染症にステロイド?一昔前では免疫を抑えるステロイドを感染症に用いることは普通ではなかったが今となっては様々に使用されている。しかしエビデンスはそれほど確立しておらず唯一あるのは細菌性髄膜炎に対してと敗血症性ショックに対してのみで…

ステロイド治療の基本

ステロイドの作用 抗炎症作用 免疫抑制作用 ステロイドホルモンの補充 抗炎症作用 はじめに 炎症とは発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害である。つまりステロイドはこれら5つを抑える作用を持つ。更に言えばステロイドは最強の抗炎症薬であり、即効性もある…

ステロイドの副作用・予防

ステロイドは非常に多種多様な副作用があり、副作用は必発といっても過言ではない。そこでステロイド投与中の患者には副作用を予防する治療が必要となってくる。そこで副作用の出現時期などを理解することは必要不可欠である。 開始当日から 不眠、うつ、食…

痺れに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 いわゆる神経痛に対して漢方薬は良い適応であるが、現代医学が対応困難な痺れにも適応できる。 処方前に押さえておくべきこと ・器質的疾患を除外し現代医学で診断できるものはきちんと診断しておく。 ・例えば手根管症候群、肘部管症候…

便秘・下痢に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 悪性腫瘍などの器質的疾患のない常習便秘や下痢の場合は過敏性腸症候群が漢方治療の良い適応となる。 処方前に押さえておくべきこと ・便秘の場合:通常の下剤で腹痛やひどい下痢になる症例(虚証)には大黄を含む方材の処方には注意。使…

腹痛・腹部膨満感に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 上腹部では胃炎・消化性潰瘍・機能性ディスペプシアなどが適応。下腹部では過敏性腸症候群や瘀血による腹痛、寒冷刺激による腹痛などである。腹部膨満の代表疾患であるイレウスは現代医学的治療に漢方薬を併用すると効果的で、開腹術後も…

不眠に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 精神生理性不眠。現代医学的には取り上げない冷えやほてりのための不眠も良い適応となる。 処方前に押さえておくべきこと ・不眠の訴えに対して原因を踏まえた上でまず生活指導を行うことが不可欠。その上で投薬 ・漢方薬がよく効くケー…

頻尿・排尿困難に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 加齢に伴う下部尿路疾患、特に過活動膀胱や前立腺肥大症の初期病期と慢性膀胱炎が良い適応 処方前に押さえておくべきこと ・下部尿路症状には頻尿や排尿困難の他に尿意切迫感・尿失禁・残尿感・排尿痛などがあり重複が多く見られる。 ・…

鼻水・鼻づまりに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 アレルギー性鼻炎は通年性・季節性を問わず良い適応となる代表的な疾患である。 処方前に押さえておくべきこと ・アレルギー性鼻炎には麻黄剤がとても有効ではあるが、麻黄はエフェドリン、プソイドエフェドリンを主成分とするため注意が…

頭痛に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 漢方治療は偏頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛に良い適応がある。薬物乱用頭痛対策にも有効である。 処方前に押さえておくべきこと ・頭痛は大きく分けて一次性と二次性がある。 ・一次性頭痛とは頭痛そのものを呈する疾患であり、偏頭…

更年期障害(冷え・のぼせ)に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 更年期障害には漢方薬は良い適応となる。血の道症の一つ。 処方前に押さえておくべきこと ・加味逍遙散の処方に呈している患者さんは問診票に山のように症状を列記している人が多い。(不定愁訴) ・処方後に便通がつけば効果あり、下痢…

肩こりに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 一般的な肩こりから頸肩腕症候群まで漢方は幅広く適応できる。 処方前に押さえておくべきこと ・長時間のスマートフォン操作やパソコン作業での悪い姿勢、椅子と机のアンバランスなどが背景にある場合も多いので改善をすすめる。悪い姿勢…

胸焼けに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 胃食道逆流症GERDのうち特に非びらん性胃食道逆流症が良い適応である。 処方前に押さえておくべきこと ・胃食道逆流症GERDは内視鏡所見陽性で症状がみられる逆流性食道炎と所見がないのに症状が見られる非びらん性胃食道逆流症NERDに分類…

筋痙攣・筋肉痛に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 筋痙攣全般、中でも腓腹筋痙攣(こむら返り)は良い適応。筋肉痛全般、特に筋肉疲労など原疾患の明らかでないものは漢方治療の良い適応 処方前に押さえておくべきこと ・筋痙攣・筋肉痛ではまず症状発作時の急性期の治療があり、即効性の…

悪心・嘔吐に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 急性および慢性胃炎、感染性胃腸炎、機能性胃腸症、二日酔いなど 処方前に押さえておくべきこと ・心下振水音、胸脇苦満などの腹証を把握することが鑑別に必要 ・悪心・嘔吐のほかの随伴症状を問診で把握することも大切 ・胃がんや胃潰瘍…

めまいに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 心因性めまい、メニエール病や良性発作性頭位めまい症などの内因性めまい、起立整調整障害、更年期障害に伴うめまいが良い適応 処方前に押さえておくべきこと ・めまいという症状だけに注目するのではなく、背景にある生活リズムの変化、…

うつ症状に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 うつ病(大うつ病性障害)や双極性障害(躁鬱病)などの精神疾患によらないいわゆる病的ではないうつ症状は良い適応 処方前に押さえておくべきこと ・病的なうつ症状を認めるうつ病や双極性障害などの精神疾患は抗うつ薬や気分安定薬、非…

浮腫に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 原因が特定できない非特異的な場合や西洋医学的治療による効果が得られない場合、あるいは副作用のために西洋薬の服用継続が困難な例に考える。 口渇・多飲の割に尿量が少ないのが典型的な症候。頭痛、めまい、悪心、嘔吐、下痢などを伴…

発汗・寝汗に対する漢方薬処方

良い適応となる状態 体力低下が顕著で明らかな原疾患がなく、寝汗や発汗のある場合。 高齢者や体力低下した者が急性上気道炎などの急性発熱性感染症に罹患し解熱後に寝汗が続く場合。 処方前に押さえておくべきこと ・発汗異常の原因となる疾患を十分検索し…