gimresi's blog

みきと@研修医・内科×とある総合診療専攻医のブログ

片田舎のとある総合診療専攻医のアウトプット用ブログです。たまには関係ないことも綴ります。

2020-02-08から1日間の記事一覧

抗凝固薬の使い分けについて学ぶ

ポイント ・抗凝固薬の適応疾患 ・心房細動に対する使い分け ・中等度以上のMSや人工弁置換術後の抗凝固薬はワルファリンを はじめに 抗凝固薬の適応疾患は大きく分けると心房細動の血栓塞栓症の一次または二次予防、血栓塞栓症(DVT、PE)の一次予防、治療…

抗リウマチ薬の使い分けについて 研修医レベルでまとめてみた

まず抗リウマチ薬は大きく分けて3種類。 リウマチ治療は抗リウマチ薬を中心に必要に応じてNSAIDs、ステロイドをしようする。 DMARDsとは? →disease modified anti rheumatic drugs(疾患修飾性抗リウマチ薬)の略。 csDMARDs:conventional synthetic DMARDs…

胃もたれに対する漢方薬処方

良い適応となる状態 機能性胃腸症、特に食後愁訴症候群が漢方治療の良い適応となる代表的な疾患である。 処方前に押さえておくべきこと ・臨床上、機能性消化管障害においてはオーバーラップを認めることが多いとされる。 ・食後愁訴症候群と心窩部痛症候群…

APGAR スコアについて医学生向けにまとめてみた

APGARスコアとは出生直後の新生児の健康状態を表す指標である。 APGARはその頭文字で覚えると良い。APGARの由来はその立案者の名前から来ている。 A: Appearance 皮膚色 P: Pulse 脈拍 G: Grimace (刺激に対する)反応 A: Activity 活動性 R: Respiration …

SLRテスト・Laseque徴候・Kernig徴候・Mingazzini徴候について似すぎてて分からないのでまとめてみた

下肢の身体診察でよく出てくるこの4つの検査。 調べたところサイトによってはSLRテストとLaseque徴候は同じということが書かれていたり、あるサイトでは違うと書かれていたり書く人によっても解釈が異なるように感じる。これがこれらを混同させる要因なので…

小児科診療 嘔吐・下痢を主訴に来院

嘔吐・下痢は小児科診療で出くわす主訴のうち最も多いものの一つである。 今回はその時の対応についてまとめる。 この症候では嘔吐のみではないということが大事である。 つまり胃腸炎として経過が合わないところがないか?を常に考えながら診療にあたるのが…

小児科診療について 発熱編

発熱初日〜2日は風邪と言わざるを得ない! 37〜38度台の発熱で外来受診した場合には、一番の鑑別に上がるのはやはり風邪症候群である。 この場合は風邪らしさを聴取する。 聴取内容 ・いつからの発熱か? ・ご飯、水分は取れているか?(水分取れていない、…

不機嫌:not doing well(なんとなく元気がない)場合 小児科診療

Must rule out 尿路感染症 細菌性髄膜炎 腸重積 頭蓋内出血、骨折 心不全、呼吸不全 ターニケット症候群 血液疾患、代謝疾患 よくある頻度の高い状態・病気 中耳炎 便秘症 皮膚炎などのかゆみを生じるもの Infantile colic 原因不明の非特異的な不機嫌 注意…

BCG(Bacillus Calmette-Guerin)接種についてまとめてみた

小児科で必ず実施されるBCGについて おおよそ多くの予防接種はシリンジに針をつけてワクチンを皮下注射するだけであるがBCGは言わずもがなハンコ注射とも呼ばれる特殊な接種方法である。今回はそれについてまとめる。 適応 結核予防のため予防接種法に基づき…

喘息発作への初期対応についてまとめてみた

気管支喘息には大きく分けて2種類、発作期と安定期がある。それぞれにおいて治療は発作期であれば発作に応じた治療を行い普段は安定期として持続的な吸入などで治療を継続する。今回は喘息発作について初期対応をどうすべきかまとめる。 発作強度によってす…

風邪診療まとめ 発熱+頭痛型

このカテゴリーで見逃してはいけないのが何といっても髄膜炎である。 発熱に加えて今までに感じたことのない頭痛を訴える場合には常に髄膜炎を考えなくてはならない。 しかしその違いは難しくどうゆう場合に髄膜炎を疑って腰椎穿刺を施行すべきかを考える。 …

風邪診療にまとめ 微熱+倦怠感がある場合

風邪のような感染症は数多くあります。 今回はその中でも微熱+倦怠感をきたす疾患にフォーカスを絞ってまとめます。 微熱+倦怠感とは感冒症状があるにも関わらず咳嗽、鼻水、咽頭痛などがなく症状のメインが倦怠感である状態。 倦怠感という訴えは医師とし…

風邪診療について 局所臓器症状不明瞭・高熱のみ型 後編

熱源不明の患者でチェックすべき部位とポイント 結膜 結膜炎(咽頭結膜熱など)、黄疸(胆道感染)、点状出血(感染性心内膜炎)、充血(レプトスピラなど) 両上顎の圧痛の有無 副鼻腔炎では圧痛ではなく左右左程度のことも多い 口腔・咽頭・頬粘膜・軟口蓋…

風邪診療についてまとめてみた 〜局所臓器症状不明瞭・高熱のみ型〜

はじめに ・風邪という誤審が最も起こしやすいパターンが局所臓器症状不明瞭型の特徴である。 ・命に関わる敗血症がこのパターンに含まれるため注意が必要。 ・何らかの敗血症の初期かもしれないという認識で診療にあたる。 局所臓器症状不明瞭・高熱のみ型…

感冒症状(風邪・上気道感染)に対する処方まとめ

いわゆる風邪という疾患は発熱、頭痛、咽頭痛、咳嗽、鼻水など多岐にわたる症状が同時に同程度起こるとされている。しかしただの風邪に抗菌薬処方は有効ではなく、作用に比べて副作用のリスクの方が高いという認識が必要と考えられる。 一方で風邪に対しては…