漢方薬を処方する上で知っておきたいこと
はじめに
・効果が期待できる病態のほか、生薬・処方レベルでの副作用についても知っておく。
・急性症の治療では診断が適切であれば数十日運のオーダーで効果を実感できる。
・慢性症でも2〜4週間以内に効果が見られることが多く、4週間で効果が出ない場合には処方の変更を考慮する。
・漢方薬の構成生薬を理解しできるだけ少ない処方数・処方量で対処する。
・小児の薬量は現在医学と同様の考え方で年齢に応じて減量する。
・近代医薬品との併用は問題ない場合が多い。しかし麻黄は交感神経興奮作用を有する薬剤との併用、甘草は利尿薬との併用に注意する。
・苦い薬を嫌う患者さんには苦味剤を避ける。
生薬名 |
主要活性成分 |
副作用 |
甘草 |
グリチルリチン |
低カリウム、ミオパチー、偽アルド |
大黄 |
アントラキノン類、センノシド |
下痢 |
附子 |
アコニチンなど |
中毒 |
芒硝 |
硫酸ナトリウム |
下痢、浮腫 |
麻黄 |
交感神経興奮作用 |
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広防己、関木通、青木香 |
アリストロキア酸 |
腎障害、尿路系悪性腫瘍 |
日本で頻用されている漢方のうち約7割には甘草が含まれているため甘草の副作用には注意が必要。
経過のみかた
・「漢方薬は長く服用しないと効果は出ない」と言われる。
・急性症の治療においては数十分のオーダーで効果を実感できる場合がある。
・慢性症では2〜4週間で効果が見られることが多く、4週間でも効果が見られない場合は処方の変更を考慮してみる必要がある。