gimresi's blog

みきと@研修医・内科×とある総合診療専攻医のブログ

片田舎のとある総合診療専攻医のアウトプット用ブログです。たまには関係ないことも綴ります。

呼吸器

喘息発作への初期対応についてまとめてみた

気管支喘息には大きく分けて2種類、発作期と安定期がある。それぞれにおいて治療は発作期であれば発作に応じた治療を行い普段は安定期として持続的な吸入などで治療を継続する。今回は喘息発作について初期対応をどうすべきかまとめる。 発作強度によってす…

マイコプラズマ肺炎についてまとめてみた

はじめに マイコプラズマ肺炎は咳もしくは発熱を主訴とすることが多い疾患で非定型肺炎に分類される。マイコプラズマ肺炎は通常通年性にみられ、普遍的な疾患である。欧米において行われた罹患率調査のデータからは、報告によって差はあるものの、一般に年間…

COPDについてまとめてみた

まずCOPDの定義 COPD(chronic obstructive pulmonary disease) 日本呼吸器学会では「有毒な粒子やガスの吸入によって生じた肺の炎症反応に基づく進行性の気流制限を呈する疾患である。この気流制限には様々な程度の可逆性を認め、発症と経過が緩徐であり、…

鎮咳薬・喀痰調整薬の使い分け

鎮咳薬・喀痰調整薬とは? あくまで症状改善薬であり病気自体の治療薬ではない。 例えば、細菌性肺炎などにより膿性痰があれば抗菌薬で治療すべきだし、気管支喘息やCOPDであれば慢性呼吸器疾患として特異的な治療を行うべきである。鎮咳薬・喀痰調整はその…

吸入ステロイドのすべて  

はじめに ・吸入ステロイド薬は気管支喘息やACO患者では治療の基本となる薬剤である。ICSをどう使い分けるか、どの吸入器具を選択するかも大事である。そのため治療奏功を期待するにはアドヒアランスの問題をクリアすることが必要条件となる。つまり喘息治療…

呼吸器 同効薬の使い分け 総論

ポイント ・鎮咳薬と喀痰調整薬は対症療法であり、咳嗽と喀痰に対する治療の大前提は症状の背景にある疾患に対する治療である ・喀痰は機動分泌が亢進している病態の存在を示唆するため湿性咳嗽の対症療法は喀痰調整薬であり、原則として鎮咳薬を投与しない…

気管支拡張薬の使い分け

はじめに ・気管支拡張薬はβ2刺激薬、抗コリン薬、キサンチン誘導体の3系統 ・気管支喘息やCOPDに対して気管支を拡張する目的に使用される ・効果と副作用の観点から内服よりも吸入薬が推奨されており適切な吸入器デバイスを選択すべし β2刺激薬 ・β2刺…

ACOについて研修医向けに詳しくまとめてみた

(Asthma and COPD Overlap:ACO)とは? まずは気管支喘息とCOPDのそれぞれの病態についてまとめる。 ・気管支喘息は「気道の慢性炎症を本態とし、臨床症状として変動性をもった気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)や咳で特徴づけられる疾患」 ・COPDは「タバコ煙を…

癌性リンパ管症についてまとめてみた

癌性リンパ管症(lymphangitis carcinomatosa) とは何か? 研修医でも呼吸器内科などをローテートした人なら経験したことがあるのではないだろうか。 頻度は明確なデータはないが、がん細胞の転移様式のひとつと言われ発症すれば予後は数ヶ月という状態であ…