一般内科
このカテゴリーで見逃してはいけないのが何といっても髄膜炎である。 発熱に加えて今までに感じたことのない頭痛を訴える場合には常に髄膜炎を考えなくてはならない。 しかしその違いは難しくどうゆう場合に髄膜炎を疑って腰椎穿刺を施行すべきかを考える。 …
風邪のような感染症は数多くあります。 今回はその中でも微熱+倦怠感をきたす疾患にフォーカスを絞ってまとめます。 微熱+倦怠感とは感冒症状があるにも関わらず咳嗽、鼻水、咽頭痛などがなく症状のメインが倦怠感である状態。 倦怠感という訴えは医師とし…
熱源不明の患者でチェックすべき部位とポイント 結膜 結膜炎(咽頭結膜熱など)、黄疸(胆道感染)、点状出血(感染性心内膜炎)、充血(レプトスピラなど) 両上顎の圧痛の有無 副鼻腔炎では圧痛ではなく左右左程度のことも多い 口腔・咽頭・頬粘膜・軟口蓋…
はじめに ・風邪という誤審が最も起こしやすいパターンが局所臓器症状不明瞭型の特徴である。 ・命に関わる敗血症がこのパターンに含まれるため注意が必要。 ・何らかの敗血症の初期かもしれないという認識で診療にあたる。 局所臓器症状不明瞭・高熱のみ型…
いわゆる風邪という疾患は発熱、頭痛、咽頭痛、咳嗽、鼻水など多岐にわたる症状が同時に同程度起こるとされている。しかしただの風邪に抗菌薬処方は有効ではなく、作用に比べて副作用のリスクの方が高いという認識が必要と考えられる。 一方で風邪に対しては…
外来でよく出会うこの疾患、mononucleosis-like symptoms(伝染性単核球症の臨床像)は発熱、全身倦怠感、頸部リンパ節腫張(特に後頸部リンパ節などの全身性リンパ節)、肝脾腫などがあり、これらがあれば疑う。 ポイント ・毛布のような白苔が扁桃に付着して…
いわゆる風邪という疾患は発熱、頭痛、咽頭痛、咳嗽、鼻水など多岐にわたる症状が同時に同程度起こるとされている。しかしただの風邪に抗菌薬処方は有効ではなく、作用に比べて副作用のリスクの方が高いという認識が必要と考えられる。 一方で風邪に対しては…
はじめに マイコプラズマ肺炎は咳もしくは発熱を主訴とすることが多い疾患で非定型肺炎に分類される。マイコプラズマ肺炎は通常通年性にみられ、普遍的な疾患である。欧米において行われた罹患率調査のデータからは、報告によって差はあるものの、一般に年間…
まずCOPDの定義 COPD(chronic obstructive pulmonary disease) 日本呼吸器学会では「有毒な粒子やガスの吸入によって生じた肺の炎症反応に基づく進行性の気流制限を呈する疾患である。この気流制限には様々な程度の可逆性を認め、発症と経過が緩徐であり、…
咽頭痛をきたす疾患は非常に多い。アメリカでは年間2100万人が咽頭痛で受診しそのうち1200万人は急性咽頭炎の診断となっている。咽頭痛は重篤な疾患の症状ともなる場合があり、killer sore throat(死の危険性のある咽頭痛)は見逃してはいけない。 …
はじめに ・鼻水を主症状とする場合、鼻症状メインの風邪かもしくはアレルギー鼻炎、細菌性副鼻腔炎の鑑別が必要となってくる。しかしこれらの疾患は初診で診断をつけて治療を開始しなくても、自然軽快したりそれほど重症にならないなどの点からそれほど重要…
咳症状で受診しうる最も多い疾患は気管支炎であり、90%以上が非細菌性で5〜10%がマイコプラズマ、クラミジア、百日咳菌などと言われている。 解剖学的下気道:気管支以下 臨床学的下気道:肺以下 気管支炎で最も多いのはウイルス性の気管支炎で抗菌薬…
医学生時代、多くの医学知識を詰め込み、様々な疾患・治療法を授業の中で学んできたが、いわゆる風邪(上気道炎)だけの授業というものが驚くべきことに、ほぼないのが医学教育の現状である。 世間一般の方からすれば驚くことかもしれない。ただこれが現実で…
1 鎮痛薬 NSAIDs COXを阻害することによってPG合成を抑制することで解熱鎮痛作用を有するが、PGの抑制は糸球体の輸入細動脈の収縮を起こし、糸球体血流量の低下へとつながる。よって腎前世急性腎不全を引き起こすほか、尿細管壊死の原因となったり、アレル…
はじめに 便秘薬には刺激性下剤としてセンノシドを中心としたアントラキノン系薬剤とビサコジルやピコスルファートナトリウムなどのジフェノール系の2種類があり、非刺激性下剤には浸透圧性下剤(酸化マグネシウム、ラクツロース、ポリエチレングリコール)…
はじめに 現在発売されている胃粘膜保護薬は多種多様でその中でもプロトンポンプインヒビター(PPI)は大きく分けて4つの商品が発売されており、研修医にはなんでもいいからPPI出しといてなどいう上級医、指導医がよくいるものである。確かにガイドライン上…
整腸薬 整腸薬は生菌製剤と耐性乳酸菌製剤の2種類がある。これら製剤の添付文書における効能・効果は生菌製剤は「腸内細菌叢の異常による諸症状の改善」、耐性乳酸菌製剤は「抗生物質、化学療法剤投与時の腸内細菌叢の異常による諸症状の改善」とされている…
はじめに ・PPIの開発は消化性潰瘍の治療とともに進んできた。消化性潰瘍治療の歴史の中で最初に大きなブレイクスルーがあったのはH2受容体拮抗薬(histamine H2-receptor antagonist:H2RA)の開発であった。これにより消化性潰瘍の外科手術の頻度は劇的に…
鎮咳薬・喀痰調整薬とは? あくまで症状改善薬であり病気自体の治療薬ではない。 例えば、細菌性肺炎などにより膿性痰があれば抗菌薬で治療すべきだし、気管支喘息やCOPDであれば慢性呼吸器疾患として特異的な治療を行うべきである。鎮咳薬・喀痰調整はその…
はじめに ・吸入ステロイド薬は気管支喘息やACO患者では治療の基本となる薬剤である。ICSをどう使い分けるか、どの吸入器具を選択するかも大事である。そのため治療奏功を期待するにはアドヒアランスの問題をクリアすることが必要条件となる。つまり喘息治療…
ポイント ・鎮咳薬と喀痰調整薬は対症療法であり、咳嗽と喀痰に対する治療の大前提は症状の背景にある疾患に対する治療である ・喀痰は機動分泌が亢進している病態の存在を示唆するため湿性咳嗽の対症療法は喀痰調整薬であり、原則として鎮咳薬を投与しない…
はじめに ・気管支拡張薬はβ2刺激薬、抗コリン薬、キサンチン誘導体の3系統 ・気管支喘息やCOPDに対して気管支を拡張する目的に使用される ・効果と副作用の観点から内服よりも吸入薬が推奨されており適切な吸入器デバイスを選択すべし β2刺激薬 ・β2刺…
(Asthma and COPD Overlap:ACO)とは? まずは気管支喘息とCOPDのそれぞれの病態についてまとめる。 ・気管支喘息は「気道の慢性炎症を本態とし、臨床症状として変動性をもった気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)や咳で特徴づけられる疾患」 ・COPDは「タバコ煙を…
ポイント ・抗凝固薬の適応疾患 ・心房細動に対する使い分け ・中等度以上のMSや人工弁置換術後の抗凝固薬はワルファリンを はじめに 抗凝固薬の適応疾患は大きく分けると心房細動の血栓塞栓症の一次または二次予防、血栓塞栓症(DVT、PE)の一次予防、治療…
同効薬の使い方 降圧薬について はじめに ・日本において高血圧有病者数は2010年時点で4300万人と言われている。 ・高血圧は脳卒中、心筋梗塞といった心血管疾患のリスクであることは明らか。 ・まずは運動、食事療法だがそれでも改善ない場合は内服加療…
はじめに 循環器領域では急性期・慢性期共に病態に応じた薬剤選択が患者の転機改善に寄与する。近年高齢化により慢性腎臓病や動脈硬化疾患が並存する患者が多くここに応じた使い分けが必要である。また内服は長期間に必要となる場合が多くアドヒアランスの問…
アルコール離脱せん妄の対応 プロトコール アルコールレセプターとベンゾジアゼピン系レセプターが類似していることを用いて、あえてベンゾ系内服を行うことで偽飲酒状態を作ってアルコール利だる症状を軽減させつつ、ベンゾ系を漸減中止する流れ。 内服困難…
アルコール離脱せん妄についてまとめてみた アルコール離脱せん妄とは?分類など、 どれくらいの飲酒量でアルコール離脱せん妄となるのか? アルコール離脱せん妄に対する治療 まとめ アルコール離脱せん妄とは?分類など、 アルコールを多量かつ長期に摂取…
挿管手技についてまとめ 挿管を確実に成功するための7ステップシミュレーション (*7ステップ シミュレーションとは医療手技において、それを実行するために必要なスキルを7つの順序に大別し1つ1つクリアしていき実践する方法。) 適応と禁忌を理解し…