gimresi's blog

みきと@研修医・内科×とある総合診療専攻医のブログ

片田舎のとある総合診療専攻医のアウトプット用ブログです。たまには関係ないことも綴ります。

吸入ステロイドのすべて  

はじめに

・吸入ステロイド薬は気管支喘息ACO患者では治療の基本となる薬剤である。ICSをどう使い分けるか、どの吸入器具を選択するかも大事である。そのため治療奏功を期待するにはアドヒアランスの問題をクリアすることが必要条件となる。つまり喘息治療はICSを処方して終わりではない。

 

1 薬の基礎知識

喘息治療には2種類ある。急性期における治療と慢性期における治療だ。

ステロイドはもちろん慢性期、喘息のコントローラーとして使用する。ICSもしくはICS/LABAの合剤で治療を行うことが一般的である。ICSを追加してもその量に比例して効果も増すとは限らず副作用のリスクを考慮する必要がある。よってICSのみで治療困難であれば増量するよりも他の長期管理薬を追加投与するのが一般的である。

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喘息患者治療ステップ

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吸入薬デバイス

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吸入薬一覧

・ICSの局所副作用への対応

ICSは局所副作用として口腔・咽頭カンジタ症や嗄声などがある。前者は吸入後にうがいをしっかりすることで予防可能。嗄声に関しては用量が増すと起こりやすくまたpMDIよりもDPIで粒子径が大きいもので起こりやすい。オルベスコ200インヘラーは粒子径は小さくシクレソニドは肺で活性型になるため嗄声が少ないとされている。何れにしても嗄声が見られたときは吸入手技の確認と用量の減量、吸入器具の変更を試みる。